服部英雄のホームページ
河原ノ者・非人・秀吉
全713頁 2012年4月25日発行:山川出版社<本体2800円(税別)>ISBN978-4-634-15021-8 四六判・736頁
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中日新聞20120612朝刊
書評・田中優子氏、朝日新聞20120701 あまりにも生々しく、時に本を閉じた。歴史の専門書を読んでそういう気持ちになること はほとんど無い。そこに本書の方法的な特徴がある。極めて具体的かつ詳細で、小説を読 むような臨場感がある。が、単に面白いというだけでなく、歴史記述の独特な方法が浮か び上がってくる。 たとえば犬追物。本書はこの行事に関わった「人間」に迫る。河原ノ者が登場人物だ。 彼らは犬を捕獲し、犬の馬場では犬一匹に河原ノ者一人がついた。犬を縄の中に誘導する。 首縄を瞬時に鎌で切る。犬の前を走る。侍が犬を射る。傷ついた犬を処分する。処分され た犬を侍たちも食べた(以下略)。
紹介:歴史コラム「決断の日本史」(渡部裕明氏 産経新聞20120703)
新聞記事中6月は論評者の記憶ちがい。正確には3月であり、図書はまだ刊行されていなかった。論評者の要
請を受けて被災地である薄磯地区と隣接地域を視察。被災者から聞き取りを行ったことを指す。 読売新聞8月22日朝刊 「論証不能のテーマ」九州大学教授が分析 「豊臣秀頼は非実子」提唱
『週刊文春』8月30日号 立花隆「私の読書日記」135頁より
「新刊寸描」『日本歴史』2012−10より
日本中世の被差別民の生活実態については、その手がかりとなる史料があまりにも少ない。 そのため近年、研究はすっかり停滞気味。そのなかで著者は、文献史料はもとより地名や 伝承を総動員して、虐げられた人々の日々の営みに迫る。とくに「サンカ」や「カッタイ」 など、差別語彙の収集体験にもとづく推論に著者の本領が光る。後半はやや筆の走りすぎ と思われる部分もあるが、それらも含めて著者の弱者への共感の視線が感じられる。(鴉)豊臣秀頼は秀吉の実子ではない・西日本新聞(野村大輔記者)20121016
毎日新聞 ことしの3冊
書評
岩成 俊策 (リベラシオン : 人権研究ふくおか (148), 170-173, 2012-12-00)
東京新聞 部落差別問題 向き合う タブー視せず歴史知って20130115
朝日新聞 中世の被差別社会 とらえ直す 20130205朝刊 中村俊介記者
奥本武裕「服部英雄氏の近著『河原ノ者・非人・秀吉』をめぐって」奈良人権・部落解放研究所紀要 (31), 63-71, 2012
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英文目次とキーワード
(図書自体に英文はありません) Part 1 Kawara-no-mono河原ノ者 and Hinin非人 (those discriminated against) Chapter 1 Inuoumono犬追物 Produced by Kawara-no-mono Chapter 2 Influence of Todaiji and Kofukuji on Kitayama Hinin-shuku北山非人宿 (the Kitayama Hinin district) in Yamato-no-kuni (the Yamato province) Chapter 3 Ryobyoji療病寺 and Hidenji (Hiden-in)悲田寺、悲田院 Temples, Kawata(Eta)皮多(穢多) and Kiyome清目 People in Cities and Countries Chapter 4 Irideno-Hininsho入出野非人所(the Irideno Hinin district) at Arakawa-no-ho荒河保 in Echigo-no-kuni (the Echigo province) and Hininkouya 非人荒野(the Hinin district ) in Okuyama-no-sho奥山庄 Chapter 5 Chogen Shonin 重源上人(priest Chogen) and Kotsukai Hinins (beggars) Chapter 6 Thoughts on Sankaサンカ、山窩 Chapter 7 Making Taiko Drums and Sanjo散所 of the Hakozakigu箱崎 Shrine in Feudal Japan Chapter 8 Images of Asobime,Yujo遊女 (prostitutes) from Feudal to Contemporary Japan Part 2 Hideyoshi TOYOTOMI豊臣秀吉 Chapter 1 Restored Castle Town of Kiyosu清須城下町 and a Village of Beggars乞食村 Chapter 2 Origin of Hideyoshi Chapter 3 Father of Hideyori豊臣秀頼 Chapter 4 Hideyoshi and Onmyoji陰陽師
「自著を語る」学内広報誌“クロスオーバー”33,2012より