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 のりくら    

関東

 

◎発哺温泉から草津温泉   毎年毎年あきずに志賀にいき、発哺のお茶大の寮にとまった。天気が良ければ  白根に上ろうと思っていたが、いつも悪天で芳が平のコースを下っていった。そ  のたびに芳が平小屋の偏屈親父に、どうしてこんな天気の中を下ってきたかとし  かられた。それに比べると奥さんは優しい人で、あそこで山葡萄のジュースを飲  むのが楽しみだった。   芳が平を滑ってきて、草津の瑠璃の湯・薬師の湯に入るのが恒例。皆無料。  瑠璃の湯は男女別だが、殺風景な風呂だった。白旗の湯の方が雰囲気がある。  ただしは入り口は男女別だが、中は一緒になっている。かみさんやその後輩の  女の子(いま川村女子大の先生をしている湯田環)がいたから、結局この風呂  には女性陣は入らなかった。ここの温泉も源頼朝以来の歴史がある。また  湯の峰と同じような病者の視点からの歴史叙述が考えられる。    芳ヶ平
 ○万座温泉   スキーにいった帰りにはいった。窓の外がものすごい雪で風情はあったが、芋  の子を洗うようだった。    ◎尻焼温泉   職場の旅行で自分が幹事のとき、初冬にいった。課長を始め皆が泥酔してけん  かを始めた。風呂の横で裸で一晩寝た人もいた。当時みんながウシヤンといって  いた牛川さん。今は大学の先生。浴室の中はあんまり寒くはないそうだ。朝一人  で川の中の温泉に。川底から湯がわき上がっていた。尻焼きの名がぴったり、良  い温泉です。    
   (上)尻焼温泉・人物は30代前半の服部
   ○塩原温泉   この頃の若い女性が混浴は平気ということがよくわかった温泉だった。職場の  旅行で行ったが、朝の露天風呂で男は皆なかなか出られなくてのぼせた。    ◎川古温泉   残雪が多く赤谷川が登れなかったときに皆で入った。地下に風呂がある。風呂  が一つしかないため、同行の女性陣は入ってこなかった。ビニールの歌集があっ  て風呂の中で歌えるようになっている。    宝川温泉   白毛門にスキー登山したあとに入った。山の温泉にしては俗化(観光地化)し  ている。    伊香保温泉   手ぬぐいがまっ茶色になる。鉄分がとても多い。    信越    ◎梶山新湯   冬山で雨飾に登って、小屋が閉鎖されていたのに、友人と落とし鍵をナイフで  こじ開けて入ってしまった。湯はホースから出っぱなしだったので、風呂桶に入  れて豪遊した。少しばかりお詫びの金を置いてきた。二十年以上も前のこと。も  う時効にしてください。何かの本でこの山の開発問題(林道か)を読んだが、今  でもあのすてきな小屋はあるのだろうか。    ○発哺温泉   お茶大の寮があって良くいった。→草津温泉の項

   

北アルプス

 

◎黒薙温泉   黒薙川北又谷や柳又谷の遡行で、悪天・増水で失敗したときにはいる。一度は  小川温泉の道が豪雨で崩壊し、こちらに出た。いい風呂だがアブが多いのが難点。  黒部渓谷鉄道の黒薙鉄橋はとても高い。ここにたって立ち小便をすると、恐ろし  くなるほど下まで落ちていく。だが、すぐに霧になってしまって落下点を確認で  きない。    小川温泉   黒薙川の遡行のあと入ったことがある。風呂の記憶、特になし。    ◎鐘釣温泉   おやじにつれられ白馬から下ったときに入った。黒部の本流の脇に湧いている。  温泉の中で泳いでいる分には暖かいが、ちょっと川に出たらとても冷たかった。    ◎蓮華温泉 (白馬岳・既述)    ◎白馬鑓温泉   おやじといもうとと縦走をしたあとに入った。子どもの時だから温泉がいいと  はそんなには思わなかったが、ここに泊まらず歩いたのはやはり疲れた。    ◎高天原温泉   ここに行くまでに歩いて二日はかかる本当の山の中の温泉。周囲の景色もとて  もきれい。風呂に入ってまた歩き出したのは失敗だった。じっくりと泊まって遊  ぶべき所。女風呂だけ建物がある。    ◎白骨温泉   むかし乗鞍から見晴峠を越えて風呂に入りに行った。道端のドロドロの露天風  呂。湯船の底も泥だらけであがると泥が巻きあがってくる。かえって汚れるよう  な風呂だった。貧乏学生が入れるのはそんなとこだった。  最近は新泡ノ湯の丸栄旅館に泊まって鎌倉街道の調査をした。    ◎乗鞍高原温泉   鈴蘭のコロナ観測所のバス停の下に共同の露天風呂があった。スキーのあとよく入った。  皆で入っていたらスキー雑誌の取材があって、全員裸でたちあがった写真が載った  (Skier'86/no.7、下・写真、一番右が早世した中西、ボート部の後輩でよく気があった。  その左後がわたし、服部)。一年後の刊行だったから偶然に見つけたのだろう。素朴でいい  風呂だった。ここに入らないときは銀嶺荘だったか、上にあった村営の風呂に入った。こ  こも良い風呂だった。そのあと西の方に村営温泉ができた。入湯料が高いと思った。  写真の野天風呂の後身は、少し下流に下がってせせらぎの湯とかいった名前になっている。  たぶんタダ。     泉源は白骨の上流。昔地図に温泉マークがあったので一度行ってみたいと思っ  たが、いかずじまい。稜線からのぞいたことはある。この泉源  をパイプで延々と峠を越して引いている。  昭和40年代の終わり近くに、温度を下げずに湯を引く技術が開発された。この  温泉のおかげで乗鞍は飛躍的に発展したが、奇形の岩魚が増えたことが残念。  鈴蘭の裏の沢(ジッケ)で釣れた岩魚は異様に肉が柔らかく、まずかった。    
   (上)および(最上)コロナ観測所バス停下にあった野天風呂、いまはちがう形のものになっている。
   ○平湯温泉   鈴蘭旅館にとまり、鎌倉街道調査。歴史のある温泉だ。    ○福地温泉

   中ノ湯温泉   新安房トンネルの工事でなくなってしまった。今はずいぶん高いところに移転  中だが、元の温泉は梓川の右岸に露天風呂があって、風呂から対岸の上高地に行  くバスがよくみえた。逆にいえばバスの中からも風呂がよくみえたということ。    ◎大泉温泉(パノラマの湯)   火事になったことがある。野天風呂浴槽から富士山が。    ◎上諏訪温泉JR駅の湯   福岡から飛行機で松本に行き、タクシーで広丘または村井駅に出ると、各駅停  車に乗れる。空港から諏訪方面にはこれが一番経済的で、時間的にもよい。この  列車は、行き違いの上り下りの特急を待つので、上諏訪駅に15分ほど停まる。  その間に入ることができる。ときどき熱すぎることがあるが、やはり旅の温泉と  しては秀逸です。    ◎下諏訪温泉・旦過の湯   旦過は雲水を宿泊させる施設。碧雲寺の旦過寮であろう(『峠の歴史学』でふれている)。  子どもたちといっしょに入った。とにかく熱い。次男はまったく湯舟に入ろうとしない。  ぷりぷり怒っていたが、   あつい夏 もっとあついよ 旦過の湯  とよんだ。もとは岩盤の割れ目から出ていたらしい。    

関西

 

◎湯ノ山温泉(三重県)   中学生のときクラブで鈴鹿の山にいった帰り、先生が安い料金で入れる登山道  近くの温泉に連れていってくれた。みんなで風呂に入ってとても楽しかった。たい  てい誰に毛が生えてるというようなことで騒いでいたが。    池郷北山温泉(奈良県下北山村)   新しい温泉。芦廼瀬川の帰りに入ったが疲れがとれた。眺めがよい。    ◎湯の峰温泉(和歌山県)   平安時代から熊野参詣の貴族も入った霊泉。いっぽう病めるものの姿を象徴す  る小栗判官の伝説もある。この湯の歴史、そして熊野古道=小栗街道については  貴賎の観点からの叙述ができる(『比較社会文化』1)。    ◎川原湯温泉(和歌山県)   ここの千人風呂なるものに朝早くひとりで入っていたら、横にバスが止まって  おばさんたちがみんなでこっちをみていたのには参った。    ○勝浦温泉(和歌山県)   海岸洞窟の中にあって、波際で温泉に入れることで有名。ただし全くの観光地。    ○白浜温泉(和歌山県)   有馬皇子の悲劇で名高い。海岸に露天風呂があったが、入ったかどうかの記憶  がない。    ○有馬温泉(兵庫県)   友達が六甲のドライブに連れていってくれた帰りに入ったような気がするが、  あまり記憶がない。茶色い温泉はここか。歴史的にはとても重要な温泉だ。  

 
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