4.2 石塚博孝君の感想
現地調査を終えて (s-1-12 1TE98453M 石塚 博孝)
まずはじめに、今回の調査地はそんなに田舎ではないと思っていましたが、バスから外を眺めていると、福岡県から離れるにしたがって人や車がほとんど通りそうもない緑や田んぼの多い風景が広がってきたので、ちょっと以外でした。
調査地に着くと周囲の風景はとても良かったのですが、天気が良すぎてこう暑くては数キロある区長さんの自宅まで歩いたら大変だなあと話していたところに、いっしょにいた他の班の訪ねる家の人かその知り合いの方か分かりませんが、ちょうど軽自動車で通りがかり、僕たちも区長さんの家まで乗せてってやるというので疲れることなく到着する事ができたのは幸いでした。
聞き取りを始めてまず最初に戸惑ったのはむこうの人の方言でした。聞き取りの最中よく分からないことあるとその都度聞きなおさなければならないので、僕達も大変でしたが、
むこうの人たちも大変だったと思います。そのため実際聞き取ったことを正確に記録することが非常に大変だったので、録音の用意をするべきだったと後悔しています。次に、マニュアルに載っている言葉が訊ねた年配の方に通じなくて困ったことです。その言葉自体が地方によって違うからかもしれませんが、シュウジ(小路)、しいど(水路)などは通じず、特にあざな、しこなはほとんど通じていなかったようです。しかしそこであきらめずにそれを指し示すようなことを訊ねてなんとか聞き取ることができました。またマニュアルの質問項目の中で区長さんでも記憶にうすいことがいくつかありました。しかしちょうど現在の国の圃場助整備のことでこのあと公民館で村の方々(九大法学部出身の若い方もいました)が集まるので、そこにもっとご年配の方が来るから僕達も行ってはどうかということになり、ふたりの方により詳しく田圃、水利などについて聞くことができ、僕たちが得ようと思っていたことの大部分を聞き取ることができたのでよかったと思います。(一人の方はもう90歳以上の方で声も小さく非常に聞き取りずらかったです)聞き取りを終えて感じたことは、やはり今回調査したいことは、現在ほとんど使われなくなってしまったり、村の人から忘れ去られてしまったりしているということです。そのためこのような調査は早急に行うべきだと感じました。
終わりに、科学の発展によってあらゆる事が便利になった今、農業は衰退し農村から若者が離れ、むらの伝統や風習、昔ながらのことは受け継がれなくなってしまいました。これは農業に限ったことだけでなく陶器、彫刻、酒造などの日本古来の伝統的な産業においても後継者不足が現在浮き彫りになっています。科学の発達、時代はそこに留まることはないのでそのようなことはどうしょうもないことかもしれません。しかし、先生のなさっている昔の地名などを記録に残すという作業は、その大小にかかわらず歴史的文化を残すことと同じことだと思いますから大変重要なこと、というよりむしろなにかしらちょうど身体障害者を介護するボランテイアの方を尊敬したいような気持ちと同じ気がします。(これは何も先生が喜ぶようなことを言いたい分けでわなく、先ほど述べたような日本の伝統産業が受け継がれなくなるということに対して、僕も何かしなければならないのではないか、という感が湧くからです。余談になりますが、最近、日本で版画を職業とする英国人や酒造りたずさたる英国人の方をラジオ英会話の中で知り、そのようなことを受け継ぐ者は何も日本人でなくともよいということに気がつき、またこうゆうことが世界が国際化している証拠だなあと実感しました。)したがって今回このような調査を初めて体験できてよかったと思うし、いい経験になった思います。