1LT13078 白澤玲奈

1LT13091 高峰優花

小セミレポート〜鷹島・船唐津〜

 

小:せっかくだからあなたたちに鷹島はもちろんだけど松島の歴史のね、一市一町旧福島町の歴史関係のね(ふふふと笑う)参考にね、あげますよ

白・高:ありがとうございます

小:これはもう地域のいろいろな歴史情報をかいてるから。目を通しといてください。

えーと、じゃあ、さっそくだから質問に入ろうか

わたしのわからないことはこの鷹島の郷土史っちゅうのを昭和50年に編纂をしとる…な、だからもうこれあたりをよかったらコピーしてもいいし

白・高:ありがとうございます

小:どうぞ、お茶をのんでください

(お茶をいただく)

(地図を広げる)

白:読み方があってるかどうか確認してもいいですか

小:うんいいよ、ほい

(一つ一つ確認していく)

つんぼだ…

白:これつんぼだはこっちの表記(聾田)でもつんぼだって読むんですか?

どっちがあってますかね?

小:いやあこれは…どっちかなあ…(地図を指さし)図面(朧田)が正しいんじゃないかなあ…うーん、いいたいね

白:はい

(さらに一つ一つ確認していく)

小:八久保も(船唐津ではなくて)三里にはいるとよー。山之内は船唐津地区にはいるんじゃなかったかなあ

これは(地名のプリントを示して)どこで調べたの?

白:これは、えっと、コピーして配ってくれたんですけど。服部先生が

小:服部先生が?

白:はい

小:はあ〜、まだたくさんあるかな…

(確認作業をつづけ、終了する)

白:いろいろインタビューしたいんですけど…

小:あ、はい()

質問は、むずかしい…?

白:あ、いえ、簡単です()

ここは農村ですか、漁村ですか?

小:ここっていうと…

白:船唐津は?

小:あ、船唐津

昔でいうとね〜半農半漁の島やったかなあ。ところがもう最近ではね、農業のほうは、後継者がおらなくていわばその高齢になって、農業をやめるという過程がもうほとんど。こういうような状況は鷹島だけの問題、この地区だけじゃなくてね、ほかの地区にだってあるけれども、それがもう今日の状況です

白:皆さんもうお子様とか仕事を継がずに…

小:高校を卒業したら都会に(苦笑)福岡、関東、関西にね、もう、長男さんがでていって…

白:漁業は、いらっしゃるんですか?

小:漁業はね、今のところ、今までは後継者がおって、その後継者も五十代、六十代の方。年々減っていっている

白:ああ〜

磯にはどんな地名がついてるんですか?

小:どんな地名っていうと…

白:ここらへんでこういうふうによばれている、とかってありますか?

小:通常これ、磯に、ね、地名でしょ。呼び名のことでしょ?私もほとんど海に行かないものだから…調べてあげましょう(調べることをメモしてくれている)

白:すみません

次は…

そこではどんなことが行われていますか?

小:磯に行ったときに?

白:はい

小:やはり、通常年間を通して、この、いつでもとってとかはできないように

白:この季節は禁止とかですか?

小:例えて申し上げると、ウニとりは何月から、何月何日の何時から何時までの何時間とか。きまっちょるんよ。私はわからないけど、家内がだいたい知ってますので。これ、期間ということかな?(メモをとる)

白:はい。時期によって違うんですね?

小:次は?

白:海中に暗礁はありますか。

小:暗礁って瀬のことね?

白:はい

小:それはもう、あるけども…

白:これをみたら分かりそうですよね…(海図を見る)

これは、自分たちで調べます。

小:そうね、はい。はい、次は?

 

白:魚群探知機のない時期に…山見?

小:ああ〜、山見…あるねえ…山見ね?どこの方に、お魚が捕れるよっていうのを…あるよ白:ありますか!?

小:ただ、具体的にどこですかというのを、海図でもいいし、あの〜、そこらへんについては、実際、漁をしてる人じゃないと。私は全然海に行ったことはないからねえ。これ、聞いてあげよう。

白:ああ…ありがとうございます

小:山見ね(メモ中)

白:はい

小:そうねえ、今もやってるのかなあ…ん〜…探知機でやりよるのかなあ…探知機が手に入る前には、やはり、山見っていうのをやって、漁師さんが、その…目的地からだったら、通常、漁があるとかってね、山見をやるっていうのはよく聞きよったよ。今もしてるかどうかってことは…

白:ああ、昔してましたかっていうことで…

小:そうね、昔ならしてたね。ただそれを具体的に、じゃあ、鷹島の船唐津から見て、どうゆうような地形かっていうことは、もう、漁師じゃないと分からんね。私にはね…これはもう確かにあるよ。それはよう聞きよったよ。

白:昔からの方法を教えてください。

小:例えば、漁をする場合の方法とか?

白:山見の方法だと思います。それで、どの線とどの線を結んだら、というような…

小:そこらあたりはね、昼から、地区に加わって、現場っていうよりも、ご年配のおじいちゃんに聞かなわからんね、ちょっと私にはね…どのような方法でしておったかっていうこと?(メモをとる)

白:はい

小:はい、いいですよ

白:えっと…定置網は行われていましたか?

小:昔は…今、この地区ではやってないですね。そうね、10年くらい前まではしよったかな。

白:和船の記憶ってありますか?

小:わせん?ああ、和船の記憶、ある。今も何軒か和船はあるみたいよ。和船ってはら、貝とりっていって、サザエなど、海藻をとりにいく人もおるみたい。和船ね。小さな船にエンジンをつけて、今も、一隻か二隻行く人がね。

白:えっと…ここらへんはちょっと…和船を造る人とかは?

小:あ、これもね、20年くらい前までは、この地区でも造っておった。その方まだ元気だから…今日ちょっとお話聞きに行こうか?

 

白:あ、よろしくお願いします

高:今は和船ってどこから…

小:船唐津地区の人は、よそから和船を買って使ってるぐらいで、造船はしていない。

白:あとはもう、農村とか山村の話なのですが…

村の田んぼに名前がついているところってありましたか?

小:通常の呼び名…その…なんていうかな…その…田んぼの地名とかではなく、呼び名…

白:地名で呼んでましたか?

小:うん、地名はあるね。例えば、ウチで話をするとね、ええっと…先ほどの全図のなかで?開田ってあったでしょ?「かいだ」っていうの…あれも、そうよ。田んぼっていうか?畑…

高:開田の田んぼでどうのこうのっていうことで、会話が進んでいくってことですか?

小:それは…ちょっとないけども…

田んぼを例えて、開田は、田んぼも畑もそりゃあるよ。他の地区もあると思うよ。うん…その地名によって、なんというか、耕作してるというか。

白:圃場整備の前の田には、どんな呼び名があったんですか?

小:ええっと…そうね、通常、圃場整備。この…水田でも、畑作でも、圃場整備をしたら、換地として名を変えてしまうとよ。

白:名義をですか?

小:うん、名義を。それによって圃場整備をした後は…整備された後はもう、本局で、換地っていって、新しい名称になるとよ。だから、それは、鷹島で…ええと…その…いつごろ始めたかなあ…(資料を見る)隠し田とかっていうと、この地区ではない。三里地区は農業専用集落だから、そこはちょっとあるかもわからない。そこはちょっと、今の区長さんも若いからわからないでしょう。ただ、私がちょっとお話しておきたいのはね、あの〜…(資料を見る)(長い沈黙…時計の音が聞こえる)昭和50年代から、圃場整備を始めたさ。

白:50年代から…

小:うん、うん…約100町

白:100ちょう?

小:うん。100ヘクタールくらいね。だからそれによって、換地、地名が変わっとるの。だから隠れ田っちゅうのも、確かに…農業の多い集落っていうのはあっとるかも…ちゅうのは、隣の地区、三里地区というところとかはね、私の地区はもうあってない。隠れ田とかっていうのは…ウチも圃場整備は多少したけども…うん。

高:その時は名前も変わったんですか?

小:うん、ね、新しい名前に。ええと、他はどうでしょう?

白:麦作はできましたか?

小:二毛作?

白:はい

小:二毛作はね、ほとんどしてない。

白:一毛作だけですか?

小:うん、はい。

白:牛が入れない田んぼとかありますか?

小:牛これも幾分かは、ね、地区によってはね。

白:牛いますか?

小:牛おるよ。この地区はおらないけれど。お隣の三里地区には多頭飼育って。牛を養う農家は少なくなったけど、高齢者の関係で。頭数は、やはり

白:多いんですか?

小:多くなったってわけではないけど、まずまずね。ただしそれを、農耕用には使っていない。ただ、繁殖用といって、

白:売るんですか?

小:それとか、肉用とかにね、通常飼育というけど、そのような状況です。

白:田んぼへの水はどこから引いてるんですか?

小:この地区は、この鷹島は、大きな川っていうのがないのよ。それで、昔から湧水

白:ゆうすい?

小:山水というかね、山も117メートルあるからね、海抜ね。だからもう、昔からの、通常いう出水?湧水ね。あの〜湧水を使って田んぼをつくっとったとよ。

白:山からの水でですか?

小:うん。すきみずというか。池もね、全体の、鷹島のこの〜なんというか、ため池も農業用の、3、40か所くらい、ため池があったとよ、昔から。それと湧水をつかって、田んぼを、耕し、水田をつくっとった。ただし、ため池が30くらいあったけども、用水が、ほとんどたまらないっちゅうか、うん、そのために、平成元年度に、海中ダム、

白:をつくったんですか?

小:そう、島の入江をしめきってね、46万トンのダムを。今つくっちょるのよ。

高:今製作中ですか?

小:うん。それはもう、その水を、高台に、海に作っちょるのだから、入江をしめきって、そこをだから、高台にポンプアップをして、貯水池を、島内高いところに、7か所か、作って、それから、自動的に農地に抽出、流すという、そういう仕組みを今とっとうとよ。

高:それ、まだ、完成してないんですか?

小:いや、もう完成はしてて、すでに使っておる。

高:じゃ、あんまり雨が降らなかったら困る、とかは

小:もう全然ない。極端にいえば、2年ぐらい、雨がふらなくとも、大丈夫。

白・高:へえ〜、助かりますね。

(3人とも笑う)

白:今年あんまり梅雨、雨が降らなかったなあ、と思ってあ、(鷹島は)降りましたか?

小:ウチはね、年間雨量が800〜100ミリっていうくらいかな。今年、雨少なかったよ。平均が1000〜1200ぐらいじゃねえ、年間雨量が。

白:ちょっとすくない

小:いやあ、水の関係も調査しとんならちゃんと後で案内をしてあげよう。

白:ありがとうございます。

小:観光客にもね、案内するとすごく喜んでもらえるよ。(嬉しそうに)

高:へ〜、ちなみに地図とかだったらどの辺とかになりますか?ダム

小:ダムはね、極端にいうと鷹島自然大橋をさっき渡ったでしょ?それの近くよ。日比という集落があるよ。そこに、ダムを、入江をしめきってね、46万トンのダムを作ったのよ。

(地図で場所を示す)

白:50年前も同じでしたか?50年前もその、雨水とか山からの水ですか?

小:例えば、水田?

白:はい、水はどこからひいていましたか?

小:えーと、50年ぐらい前はね、やはり湧水、湧水っていうのは出水?通常出水というけどね、それとかあの、ため池とか、たまっとる分を使ってということよね。ところがもうやはり、3050年ぐらい前になるとねえ、どちらかというと、3月、そうね、3月後半、4月になったらもうほとんど田植えが4月の半ば、連休前にはほぼ田植えが終わってしまう。それは、早期作といって、早く田植えが、終わる作付けを今しとるとよ。だから、お盆を過ぎると刈り入れが出来る。ちゅうのは、水の問題、丁度その時期がきたら、雨季にかかるでしょ?それと、もうひとつは台風にかからなくて、収穫できるものだから、早期に変えてしまった、この島は。そうね、2、30年位前からよ。

白:今もですか?

小:うん、今もそうよ。もう今、穂が出始めとる。うん。あの…本土の普通作、6月後半から植えるのは、まだまだ稲が実ってないよ。ウチのとこは穂が出よる。

白:だいたいどれくらいに、刈り取ってしまうんですか?

小:今話をするようにね、早い人で、3月の後半から、4月には田植えをして、そして、収穫はほとんど、8月の上旬。早い人はもう刈り入れをする、お盆前に。遅くとも8月いっぱいには収穫は終わってしまう。うん、そのような状況、この島では。はい。

白:私たちこの間…6月くらいに田植え行ったんですよ。時期違うんですね。

小:そうよ。その理由というのは、昔は…その今…田植え…なんていうかなあ…まあ、話があるようにね、普通作の場合にはもうそれやった。これはやっぱり、水の問題と、台風、風の問題があって、この島はもう、100%早期に変わってしまった。

白・高:ああ…(相槌)

高:このへんよく台風直撃するんですか?

小:うん。北部九州を通過するときはここは必ず当たる。

高:ああ〜そうなんですね。

白:ウチのじいちゃん家も、与論っていって、鹿児島の端っこの島なんですけど、必ずあたるんですよね…

小:与論島?ああ〜、そうね。

白:帰りたいんですけど、閉じ込められちゃったりしますから、ちょっと大変です。

小:鹿児島からそんな、優秀な人が出てねえ…そうね…。はあ、与論島…そいじゃおうちは農業?

白:いえ、家は市内なんですけど、母の実家が農家っていうか、サトウキビ畑です。はい。

小:あ、サトウキビ。そうね。

白:水の量は潤沢ですか?

小:あ、もう、水はね、今は、鷹島はいうことない。その…ダム作って。農業水…ただ、生活用水は、もともと、ため池があったし、このもう一つはさっき言ったその…湧水、出水で、生活用水はまかなっておったけども、やはりもう、長く干ばつになって、その湧水も不足を生じることもあるとよ。ため池の水がなくなって。その時は、ダムの水を使って、生活用水…それは色々、経緯があるとよ。というのは、今ダムを作っておるところに昔、炭鉱があったと。うん、その炭鉱の水が、ダムの方に流れ込んどる。

白:その場合は…ちょっと、汚染されたり…とかですか?

小:いや、そのようなことはもう全然なくて。うん。だからもう生活用水もほぼ、困ることはない。

白:干ばつのときの思い出はありますか?

小:干ばつ。ああ…干ばつ。はい。干ばつの時には、やはり、もう、その…稲穂が、入らないということで…水のありがたさというか。これが、しみじみやっぱり、感じておったけども、今はもうそんなことはないからねえ…ほんともう、助かるよ。うん…そりゃやっぱり作付けして、即…ていうか、1週間から2か月くらいで、もうあの…稲が、その…枯れてしまうっちゅうことがあったからねえ…昔は。うん…。大変やっぱり苦労してはったよ…うん…。

白:この言葉聞いたことありますか?雨乞いって言葉なんですけど…。

小:うん…

白:やってましたか?

小:船唐津地区はやらないけども、三里地区はやっていて…そうね。数十年に一回くらいは。鷹島で、全体的な行事として…雨乞いをやっている…うん、執り行われていた。

白:皆集まってですか?へえ〜…

高:どんなことをするんですか?

小:うん、雨乞いってね…あの…今で言う、文化財?昔ののぼりとか、地区の踊りとかで、ね。そしてやっぱり、雨がよく降るような、祈願をするわけ。うん。それで雨が降ったっていうことをよく聞きよったね。うん…。

白:本当に効果あるんですね…

白・高:へえ〜(感嘆)

白:あとは…なんていうかな(千把焚きの文字を指しながら)…これは…やってないですかね?

小:ええと…これは…私もよくわからないねえ…

白:あ、じゃあこの…台風予防の神事は?

小:う〜ん…。この一字(把)、手へんに…

白:巴…

小:巴…うん。これはなんちゅうのかな?

白・高:う〜ん…

小:ここで、あの、呼び名っていうのは、なんとか焚きっちゅうとかな?

白:ええと…それ(千把焚き)をやってたら、お話をお伺いして、やってなかったら…うん。

小:台風予防の神事、ね。これは、嵐切りね、風切りって書いてあるの?

白:風切り…

小:風切り、ね。うん…やはり、この…なんというかな、キーワードというか、一番大事なのは、鷹島では、やはり…水不足を昔はしよったということと、台風と両方で、それが水稲に、早期作に変わってしまったと、いうことと、やはりあの…水不足のために、周期的に、5年、10年に一度くらいは、水不足を生じるから、やはりあの…ダムを作ろうと、いう計画を具体化して、はい。完成の運びになったということよ、これをいうと。まずこれは…う〜ん…

高:なんかこれ(千把焚き)、雨乞いの儀式みたいですね。(iPhoneを差し出す)こういう名前の、雨乞いの儀式が…ある、ということみたいで。

小:ああ〜、成程。

白:なんか燃やしたりするのかな?

高:う〜ん。そこまではわからない。

小:この地区はもう、そんなこと全然ないねえ。これはやっぱり、農業集落で、この、なんというかな、キーワードというかな。

白・高:はい。

小:この問題については、他の地区も研究しよった?

白:はい。多分その…この島、全体で…

小:あ、そしたらね。これは、大きな集落。例えば三里地区やったら、分かる…ご年配の人やったら分かると思うよ。うんうん。やっぱりあの、大きな集落、農業集落だったらわかる。

高:このへんでは、やってない…

小:うん、この地区、船唐津地区では、そんなこと全然やってない。先ほどから申し上げるように、半農半漁の集落だからねえ。うん。この問題は、やっぱり、農業集落、が、やっぱり主になってくるね。うん、はい。

白:用水路の中には、生き物とかいましたか?

小:いや〜、用水路はねえ…もうほとんどおらないくらい。うん。ちゅうのはやっぱりもう、通常だったら、用水路、田んぼに水を引くときに、だけ水が流れる。普通は、もう、とめてしまうから。うん、うん。

白:昔も…ですか?

小:水を溜めとくとかなると今はもう、全然ここはないとよ。大きいところはあると思うけどね…ここは、ない。

白:はい…。…田の中にはどんな生き物がいましたか?

小:今かね、昔かね?

白:あ、今も昔も…

小:う〜ん…昔はドジョウなど…

白:ドジョウがいたんですか!?

白・高:へえ〜

小:ドジョウが…おったねえ〜。うん…今はねえ〜…もう、農薬使うでしょ?

白・高:ああ…

小:だから、そういう生き物っていうのはほとんどねえ…

白:いなくなりましたか…

小:うんうん。全然おらないじゃないよ。やっぱ、農薬を、使わないところには、田んぼでやっぱおるねえ。私あたりも、自家用…田を作りよるけどね、私…もほとんど農薬は使わなくてだから、例えて申し上げると、エビ、うん。エビとかね…えっとドジョウ…は見当たらないけれども…色んな動物がおるよ。

白:カエルとかってイメージがあるんですけど、ドジョウとかなんですね…

小:うん、カエル…あの〜…カエル?

白:はい。

小:カエルあたりはおるねえ。う〜ん…

白:モグラとかっているんですか?

小:モグラは田んぼにはほとんどおらないねえ。畑地帯にはおるよ。うん。

高:ドジョウって、食べたりはしないんですか?

白・高:(笑う)

高:発見して、「あ、ドジョウだあ」みたいな。

小:そんなことはもう全然ないよ。

一同:(笑う)

小:さあ、(次の質問は)どんなでしょうか。

白:村の一等田はどこですか?

小:ああ〜…これはもう、あれねえ…うん…鷹島でいうと、やはり中央になるねえ。

白:三里ですか?

小:いや、さと地区。さっきの郵便局の近くが一等地になるねえ。

高:このへんだったらどこが…

小:ああ…。船唐津はもうほとんど皆さん水田は耕作してないねえ。

白:ああ…畑とかが中心…

小:うん。畑も…自家用、野菜くらいかな、この地区は…。うんうん。だからもう、三里地区がやっぱり中心になる。三里では、そうねえ。ええと…床浪っちゅうのがあるんよ。その地区などがもう一等地区になるねえ。水田のね。

高:(地図を指して)この辺が…

小:そうそう。水田のね。

白:米は反当何俵でしたか。

小:反当?どのくらいの収穫がってね…。鷹島でねえ…そうねえ…どうだったかなあ…どのくらい…250から300位じゃないかな、10aあたりね。

白:今…ですか?

小:うん。250から300位。

白:昔は、もっと多かったんですか?

小:いやー、そうじゃなかったじゃろう…。今も…昔も…変わってないだろうと思うけども。

白:悪い田だったら…だいたい…これ(250から300)より少ないですか?

小:うん、そう。悪い田だったらね、うん。悪い田だったら…水が不足したりとか、台風が、その、来たという年などは、勿論…まったく採れないっていうこともあるし…それが、例えば150とか、うん。そういうことあるねえ。通常、軽いっちゅうのが全く採れなかったりねえ…うん。

白:麦は何俵位…ですか?

小:10aあたりでしょ?そうねえ…水田は先ほど、250から300って言ったかな?どうなんでしょう…麦は…最近はほとんどうらないけど…昔は、嫌っちゅうくらい採れよったかな。うん…。

白:そばはをつくったことはありますか?

小:そば?そばは…作ってはったねえ。今はもう作ってないけどねえ。

白:ヒエや粟とかは作っていましたか?

小:それもねえ…ヒエはほとんどないけど、粟は幾らか作ってはったかな。今はほとんど作ってないっていう状況。

白:今は何を作っているんですか?

小:今はそんなものは割と作ってないよ。基幹作物だけ。金になる分だけ。まあ、あの…一部の家庭は作ってはるか分からないけどもね。全体鷹島の中ではほとんど作っていないかもしれない。

白:直播きはやってましたか?

小:うん。これは何がね?水田?それか通常の作物で?

白:通常の作物です。

小:あ、それはもう…麦とか…蕎麦とか…これはもう、直播きが多い。直接蒔いてね。苗代を作らなくて、うん。

高:お米だったら、もう苗?

小:うん、そうよ。

白:昔はどんな肥料を使いましたか?

小:昔はもう、科学肥料がないときには、通常…牛を養っておったから、牛の、糞を田んぼや畑にかけておったかな。

白:今はもう、化学肥料ですか?

小:うん、もうほとんど、今は化学肥料ね。少しはたい肥をやってはると思うけど。それともう一つ、特に海藻を採って、海から。通常、藻という、ね、それを採って、必ず、畑に肥料としてやってはった。

白・高:へえ〜

白:肥料になるんですね、海藻…

小:うん、肥料になる。もう、最高よ。

高:今でもやってるんですか?

小:今はもうやってないね…。

白:稲の病気にはどんなものがあるんですか?

小:稲の病気?

白;はい。

小:はあ…通常いうとね、一番はもう…いもち病というのがあって。うん、穂が出なくなる病気ね。

白:虫とかはいましたか?

小:うん。今はそうね、やっぱり、虫が多いね。うん。

白:駆除はどうやってしますか?

小:駆除は今はもう、噴霧器で、皆さん機械でやってるよ、機械で、機械をあらってね、うん。

白:え、虫だけ吸い込む機械があるんですか?

小:ん?

白:機械…

小:うん、機械よ。背中にからって。それで消毒をする。

白・高:ああ〜!

小:うん、それをやってはるみたいよ。

白:牛とか馬って、飼ってたことありますか?

小:馬?馬はもうほとんど…あ、私のウチ?

白:はい…

小:じゃなくて?

白:小田さんのウチ…です。

小:私のウチ?

白:はい。

小:私のウチではもう、牛…牛は飼っておったよ、昔。あの〜…じいちゃんがおるとき、一緒におるとき飼いよったけども。私はもう…お勤めが主だから。飼ってなかったね。うん。父が元気な時は飼っておったけど。うん。よう私も手伝いをしよったしね、うん。

白:牛の世話ですか?

小:うん。

白:牛って何食べるんですか?エサとかは…

小:エサとかは茅を切って。今のように飼料を作らなくてね。雑草というかな。

白:自分たちで…

小:うん、そうそう。草を切って

白・高:へえ〜

小:牛に与えよった。そうだなあ、稲・藁…それとか、サツマイモの芋づる…あれを乾燥させて食べさせたりとかね…。

白:好き嫌いとかってあるんですか?牛って…

小:もうほとんどない…

一同:(笑う)

白:ええと…牛は、田んぼのためとかじゃなくて、です?飼ってたの…

小:牛?

白:はい。

小:あ、農耕用。うん、農業するための、うん。今日…機械が入る前に牛で、耕しをしよったんよねえ…畑もいっしょ、水田もいっしょ。うん。それと、やはりあの…例えば仔牛ができたときに、仔牛を売るとかさ。農耕用と、販売用と。うん…収入になってたのよねえ…。

白:牛をあるかせたり、鋤をひかせたりするときのかけ声ってありますか?

小:あ、牛ね?

白:はい。

小:牛はそうよ。あの…農耕用に使うようになってからは、やはり、あの…牛が暴れないように、鼻を一人持って、前にね、前に一人持って、そして…左に行くとき、「とお、とお」(ふふふと笑う)そういう言葉使ってね、牛に慣れさせよったよ。

白・高:へえ〜(笑う)

白:あ、うん…右と左で違うんですか?

小:うん、そうよ。

白:右のときは?

小:(ふふふと笑う)それ、ちょっと、私はもう忘れてしまったねえ。

一同:(ふふふと笑う)

小:あの…前に進むときは「ほいっ」て言いよったよね…

白:ほいっ…

小:うん。

白:「ほいっ」て言ったら、前に進む…

小:うん、そうそう。

白・高:へえ〜

小:それもちゃんとあったよ。呼び名がね…うん…。

白:ええと…どうやって手綱を操作しましたか?一本、二本…

小:うんうん、それはもう一本、ね。うん、一本うん。

白:あと、牛は雌か雄か…

小:うん。ウチは雌の牛やったねえ。

白:あ、そうなんですか…。…田植えはいつでしたかっていうのは、やっぱり、早い時期…

小:うん、あの…早期作でしょ?今、田んぼはね…昔はね、6月の、後半

白:に、みんなで植えたんですか?

小:もう梅雨時期に入るくらいからね、うん。

白:ゆい、早乙女、共同作業はありましたか?

小:いや、共同作業はもうほとんどなくて、個人個人で、各家庭で。

白・高:はあ〜

白:あとは…さなぶり、田植えの後の打ち上げ会とかって…

小:うん、それは…もう、さなぼりっていう…のがね、必ずありよったね。

白:あるんですか!?へえ〜…

小:田植えがね、終わってから。今は多分、鷹島はないよ。多分、隣の大きな集落は、皆が、手植えで、田んぼしてはったから、

白:へえ〜

小:もう、皆さんが手伝いに行って、田植えが終わった人を、さなぼりっていうね、お祝いをされてはったねえ。

白:へえ〜。誰かの家に集まってですか?

小:うん、そうよ。

白:手作りの料理でですか?

小:そうそう。そうやった。

白:田植え歌ってありましたか?

小:田植え歌ってあったとよ…私はあんまりしらないけども…

高:やっぱり田植えってなったら、皆それぞれ、手で植えてるところが、リズムに合わせてやったりするんですか?

小:うん。

白:あとは、田植えの時の思い出とかってありますか?

小:うーん、そうねえ。田植えのときっていっても、小さい頃…やっぱり、腰が痛いっていうか、腰をね、曲げてやらんといかんからねえ。

白:何時間くらいやるんですか?そういうのって…

小:そうねえ。もう朝早くから、夕方…夕方遅くまでってのはしてないけどねえ。朝はやっぱり8時くらいからさ、夕方、そうねえ…4時か、3時か4時くらいまではねえ。一画おわらなきゃあ、止めませんからねえ…

白:うわあ〜…

小:8時から、夕方3時、4時くらいまでやりよったねえ。

白:ガスがない時代ごはんを炊いたり、お風呂を沸かしたりはどうやって?

小:うん、もう、それはもう薪ねえ…

白:薪をおって…

小:うん、もう薪を砕いて…薪を焚いて、ごはんをしたり、お風呂は、そうね…

白:え、もう、自分たちで薪はとってくるんですか?

小:ん?うん…

白:薪とかは、売ってるんですか?

小:うん、薪はもうほとんど、自分が山のある…山の、薪を切ってね、うん。

白:へえ〜…

小:ああ、私のところは今もお風呂はもう薪で焚くよ

白:そうなんですか…自分で、とってきた薪を…ですか?

小:そうそう。

白・高:へえ〜

小:あの〜…切ってね。それを乾燥させて。それを、お風呂で焚くよ。

白:毎日?

小:毎日。

白:へえ〜

小:というのは、温水器、電気温水器もあるけども、もう一つは灯油、バーナーで。それもあるさ。それよりも、お風呂気持ちいいよ(ふふふと笑う)

白:温度とかって熱くないんですか?

小:いやあ、もう熱くしとってさ、それをやっぱり…あの〜…お湯を入れて、あ、お水をいれてね、はい。

白:へえ〜

小:福岡にね、私孫がおるさ〜。孫はね、小学五年生。今糸島市になっておるけどもね、

高:あ、すぐ近くです。

小:そうかあ。

白:キャンパス、糸島にあって、

小:ええ〜と〜…そうねえ…。糸島市に、加布里っていう駅があると。

白:かふり…

小:加布里駅。それから…その次は前原になるさ〜。

白・高:ああ〜(納得)

小:うんうん、加布里っちゅうとこにおるさ。学校は加布里小学校。今、長男はね。お姉ちゃんは、糸島中学校…前原中学かな。第一、か第二かな。大きな学校にいる。お姉ちゃんが一年生で。もう…福岡から来た日に…私が、薪でお風呂焚くもんだから、「おじいちゃんはお風呂もこだわるとね」って…

一同:(ふふふと笑う)

小:孫から。うん。

白:何て言ってますか、お風呂。こっちのほうがいいって…?

小:いやあ、孫たちは「おじいちゃん、温水器でよかたいね」と…

一同:(ふふふと笑う)

小:いやあ〜もう、おじいちゃんは薪がいいと。やはりもう、たくさん、薪があるからね、山に。だから、自分で切って、割って、そして、焚くとね。うん…最高ですよ…(しみじみと)

白:最高ですか…

一同:(ふふふと笑う)

白:じゃあその〜、薪は、近くの山から?

小:うん、近くの山から。もう、私のところのね、うん。もう、たくさん、してはるのよ。一山にね。

白:え、飼ってに切ってもいいんですか?木って…

小:うん。それはもう、自分のとだから。だから、いつでも切ってね、自分がいいときに。

白:へえ〜

高:このへんの方は、みんな…

小:そうね。まあ、薪でね、あの…船唐津地区は薪で焚く人はもうほとんどいない…。鷹島にも…まあ、何軒かあるでしょうか。

高:こだわり…ですか?(ふふふと笑う)

白:家、凄く(新くて)きれいなのに…もう…まあ…昔ながらの…

高:もしかしてあれ、お孫さんの絵…ですか?(壁に掛けてある絵を見ながら)

小:そうよ。(嬉しそうに)…うん。小学生低学年の…幼稚園、ね。孫たちよ…

高:かわいい〜…

白:あ、もしかしてあの、5人ともお孫さんですか?(壁に掛けてある写真を見ながら)

小:うん…ええとね、一番左の…子がね…前原の長女。で、次の男の子が、長男ね。二人が前原…。それから…真ん中に男の子がおるでしょ?…川棚におるとよ。と、右側の、お姉ちゃんね。真ん中におる、男の子は、川棚中学校の二年生かな…次が、川棚小学校の、5年生か。一番、右が…滋賀に、(小田さんの)長男がおって、(その)長女、とあの…(別の写真を指しながら)お人形さん抱えたのが次女ね。

白・高:かわいい…

一同:(ふふふと笑う)

小:他はいかがでしょう、(もうすぐ)お昼でしょ。

白:あと、村の共有の山とかってありますか?

小:そりゃあるよ。

白:あ、ありますか?

小:(地図を見ながら)この地区はね、あったけど…もう処分した。あの…第三者に、譲って。

白・高:ああ〜…

小:うん…。他の地区もあるよ。例えば、中通地区とかね。

白:今も、(中通地区は)共有…?

小:共有…。

白:昔の…共有の山ってだいたいどこらへんかわかります?(地図を見ながら)

小:昔のね、ええとね…この近くね。この…若松通り。この集落。

高:このへんが、共有の…

小:今は第三者に…船唐津地区の分はね。県通り…表示をしてあった、水辺の森とかなんとかっていうのがあったでしょ?それが、この地区の、共有地。うん、公有地。他の地区もあるよ、共有地。

白:あとは…山や谷ではどんな作業をしましたか?

小:山や谷?

白:はい。

小:その…作業というのは、昔?

白:はい、昔…

小:…山の作業というのはもう、伐採、木を切るとかね…やはりあの…枝を落とすとか…そんなことをしよったけどね…今はもう山もそのままにしてあるよ。うん…。

白:昔その…草山を焼くこととかはありましたか?

小:うん、それはもう、例えば、枝を切ったりしたら焼くとか、うん、それはもうやりよったね、うん。

白:(紙をめくる)わちぎり…て、わかりますか?防火線づくり…

小:あ、防火線?

白:はい。

小:わちぎり…防火線づくりというとあれかなあ、防火水槽とはまた別かなあ

白:多分、別ですね…

小:わちぢり…わちぎりというのは、どんなものかなあ…

高:(スマホで調べる)

小:なんて書いてある?

高:野焼きのためのわちぎり…なんか、山を…

小:あ〜なるほど、分かった。ええっと、それはねえこの島ではほとんどやってない。昔はやってあったと思うよ。っていうのは、野原があってね、この…例えば、牛を放牧するとか、やっぱりこの、焼くためにね木のちょっと大きいのを切ったりして、野焼きっていうのをするとさ。今は観光として、京都なんかはやりよるでしょ。この周辺では平野が野焼きをしよるね。それはもうほとんどここではやってないみたいよ。

白:海の幸、山の幸はどんなものがありますか?

小:うーん、そうねえ。海の幸っちゅうのはやっぱり、魚、干物とかなんとかが主になってくるねえ。うん

白:干物にして、売るんですか?

小:うん、そして売るとね。それから、山の幸っていうのは、その通り、ツワとかなんとかがあるでしょうねえ。

白:どんなものでしょうか?

小:染色に使うとよ。そのあとを加工するんだけど今はもう、ほとんど加工してないよ。昔はもう、やりよったけどね。

白:あとは樫は食べたりしますか?

小:樫、ねえ…むかしはほら、マテバシイってさあ、それなんかは食べよったよ。あの〜樫もそうじゃなかったかなあ

高:そのまま食べてたんですか?

小:いや。それを、沸騰させてね。どんぐりのようにさ、どんぐりとかクヌギ…クヌギの実とか

白:どんぐりを食べるとどもりになるのは本当ですか

小:どもり…いや、それは(声をあげて笑う)

一同笑い

白:お菓子とかはどんなものを食べてましたか?

小:お菓子?…お菓子はあんまり食べなくて、さつまいもが主やったねえ。わたしなんかは割とお菓子なども食べた方だけれども、一般的には、私らでいうとね、さつまいもが中心だったよ、うん。それから、さつまいもでね、だんごをつくったりしとった。

白:山で採れて商品価値になるものはありますか?

小:山で採れて商品価値ねえ…鷹島で商品価値というのは、どちらかというと、そりゃもうあの、それを加工してってわけじゃないけれども、マテバシイといってね、樫に似たような、椎に似たような実をね、お酒を作る醸造元にやってマテバシイを原料とした焼酎造り…

高:焼酎の材料ですか?

小:そう、焼酎の材料。それをやっとるよ、ここは。

高:樫とかってどんな味がするんですか?

小:うん、わたしはあの、あんまりお酒は飲まないけども、好きな人はおいしいっていうね。

高:お酒のおつまみみたいな感じで食べるんですか?えっあっ、樫…(勘違いに気づき笑う)

白:海や山ではどんな遊びをしましたか?

小:海や山での遊びはそうねえ…(昔を懐かしむように)山で遊びっていうのは、小さいときは木に登って遊ぶっていうことはしよったねえ、小さいときはねえ。木に登って、高いところに登って遊ぶというか

白:登れますか、木に?登ったことないんですけど()

小:(笑って)今はもう登り切らんけどね

高:どのくらいの高さなんですか?木は

小:そうね、やっぱり、かなり高いところ…例えば、ウチでいう話をすると、カラス、カラスがね、流行った頃っていうか、例えばその…卵から、ヒナが出てきた頃…それをとる。

白:え!?とるんですか?へえ〜…

小:そうそう、高いところしか、巣を作らないからね。

白:カラス怒ったりしませんでした?

小:やっぱり、周辺に来たりしよったね。

白:へえ〜

小:家に養うとるヒナをとったり(するから)ね…

白:そうとう高いですよね…(ふふふと笑う)

小:カラスの巣は少々高いところね…

白:食べられる野草とかってありますか?

小:はあ〜…そうねえ、食べられる野草とかってあるでしょうけども…じゃあ、何を採るっていわれても、直は出てきませんね…確かにあることはあるんよ。

白:ああ〜…

小:そうねえ…ちょっと、そこらへんをもうちょっと整理してみましょうね。

白:はい…あとは、米をどういう風に保存しましたか?

小:米の保存は、昔も今も、私のところは、保存しよったけども、「せこ」という貯蔵庫を昔から作っておったかな。

白:箱ですか?

小:そう、箱。そして貯蔵をね。うん。

白:どんな字ですか?「せこ」…

小:ん?字体?

白:字…字面って一体どのような…その箱の、呼び名?

小:うん…

白:せこ…?

小:うん、「せこ」って呼びよる、私たちは…。貯蔵庫のことを「せこ」と言いよってね…昔からそう呼びよった。今もやっぱり、「せこ」という。

白:あ、今もその「せこ」に入れて…

小:うん、そうよ。貯蔵してる…うん。それは、もう玄米じゃなくて、外皮取らなくて、収穫したのを干してね、そしてから、貯蔵して、食べる分を出して、それを、玄米にし、白米にして。

白:あ、ネズミ対策とかはしてますか?

小:ネズミ対策?

白:はい。

小:ネズミ対策…(ふふふと笑う)特にしてないけども。ネズミはよく出てくるよ。

白:あ、出てきますか?

高:へえ〜

小:うん、あの…落ちたのを食べに。

白・高:ああ〜

白:ネズミって大体どのくらいの大きさなんですか?

小:今ネズミは小さいとがおるとねえ。

白:(両手で輪を作る)

小:うん、そのくらい。もっと小さいのがおる。

白:へえ〜…ネズミって聞くと、可愛いのを想像してしまうんですけど…

小:はあ、そうねえ…

白:ど、どんな…憎たらしいですか?

一同:(笑う)

白:米作り…農業・林業の楽しみ、苦しみとかは…

小:…う〜ん、そうね…米作りねえ…やっぱり…どういうかなあ。収穫前の、やっぱその…どういうかなあ…稲穂が…この…下がってって言うか、この…黄金の色というかなんというかね、その…それを楽しみというか、それの稲刈りをするときに、やっぱりあの…実が入って…おると、言うか、それの楽しみねえ、やっぱりね(目を細めながら、思い出すように)。うん、田んぼの維持・管理はきついけどもね…収穫するときの楽しみっていうのは、もう想像つかないくらい。だから、ここから前、私の田んぼがあるけどもさ(庭を見ながら)それがもう…実が入ってさ、

白:色づいてですか…

小:うん、ほんと楽しみね。

高:努力した分、喜びもいっぱいみたいな…

一同:(満面の笑み)

白:昔の暖房は、何を使ってましたか?

小:暖房?

白:はい。

小:いやあ〜…私の家、昔暖房っちゅうのはもう、薪を焚いて火で、あたるっていうか、ゆるりっていうか…今もね、私の家は、冬場になると、この…お風呂に薪焚くでしょ?

白・高:はい。

小:この薪、木ね、あれを、火鉢に置いてね…暖房にするよ。

白:暖かいですか…?

小:暖かいねえ。そしてさらには、木炭を自分で作って、木炭を置いてね、

高:へえ〜…

小:うん。暖めるとな。

白:い、いいなあってちょっと思います

一同:(ふふふと笑う)

小:そして今もするよ…

高:もしかしてあれ火鉢ですか?(隣の部屋を指しながら)

小:うん、あれが火鉢、大きい火鉢があるとよ。

高:へえ〜

小:あっこに置いとってね…うん。

高:暖かそうですね…

小:うん、暖かいよ…。そうです。そして、お湯もそれで沸くでしょ?例えば、お正月なんかもそれで餅を焼けるし…

白・高:ああ〜(羨むように)

小:お魚も焼けるしね。うん。

白:古賀、小集落、しゅうじの名前は…

小:ん?

白:(紙を見せる)

小:あ、ここは…船唐津?小さい集落のことかな、これ…

白:あ、船唐津自体が…

小:うん、そうよ。うん、その集落の名前ね。さらには、それを具体的に言うと、坂組とか、向い組とかって組がある。一つの集落の中に。

白:へえ〜…それは、もう、何人組とかですか?

小:うん、そうよ。何々組とかね。それがあるよ。だから船唐津の…

白:…の中の…何組…ですか?

小:うん、坂組。ここは坂組っていう。

白:へえ〜…「さか」って…上り坂の坂ですか?

小:うん、うん、そうよ。他四組あるとよ、この船唐津の中で。

白:あと、家に屋号はついてましたか?

小:いや、ついてなかったよ。

白:あ、ついてなかったんですか…。大木や岩についた名前などってありますか?あと、古い道…

小:そうねえ…それはあるでしょうね。坂組というのは、船唐津の大きい集落からすると、上の方、ということで、「坂」という言葉をね…それとか、三つの玉と書いてね、あの…「三玉」という地名もあるし。

白:え、三つ玉があるんですか?

小:うん…

一同:(笑う)

小:他(の質問)は?

白:他は…車社会になる前はどんな道でしたか?

小:1mくらいの、小さな道路ね。

白:砂利道とかですか?

小:うん、砂利道。そうよ。うん。

白:船の利用は…?移動はやっぱり船ですか?

小:移動?うん、移動は船ね…。うん。それとかもう、やっぱり、歩いて、徒歩で、ということやね。

白:はあ〜…

小:ここから中央に行く場合は、もうバスがおる前にはやっぱり、歩いて行きよったということ。

白:結構時間かかるんじゃないですか?

小:うん、そうね。

白:村にはどのような物資が入り、外からはどんな人が来ましたか?

小:物資?ええと…そうね。…昔は、そうね、物資というと…お菓子類というか…そうとか、お野菜あたりもかなり入りよったね。ヨソからねえ、うん。船を利用して。

白:お菓子ってもう…ふつうの、箱に入ってるようなやつですか?

小:うんうん、そうね、あの…なんていうか、更紙っていうか、今の箱に入ってるようなのじゃなくて、更紙っていうか、わらがしっていうか…うん…おせんべいのようなね。

白:ああ〜…

小:そういったのが入りよったねえ。他にも…色々、やっぱり食料品あたりが入ってるんじゃないかな。

高:食料品中心で、外から入ってきた?

小:うん、そうね。

白:外から誰か来ましたか?

小:ん?

白:商人とか魚売りさん…とか

小:行商人もやっぱり来よったねえ。島外からでしょ?

白:ええ…どこらへんから来ましたか?福岡からとか…

小:佐賀県の伊万里の方から。

白・高:ああ〜

小:経済圏は、伊万里が一番むこうは、(関係が)深かったとよ。それは、鷹島から伊万里に、定期船が、一日に一回就航しよったと。それに利用して伊万里に買い物に行くとか、今なんかも、物資が入ると。

高:伊万里は、にぎやかな?

小:うん、伊万里はそうよ。

高:へえ〜

小:佐賀県の中でも、唐津市・武雄・伊万里…うん、ね。

白:が、にぎわって…

小:うん、経済圏は、そんなところよ。

白:カマドのお経を上げる目の見えないお坊さん…ザトウさんっていましたか?

小:いや、そんなのは全然知らない。

一同:(ふふふと笑う)

小:おらないやったねえ…

白:あと、やんぶし、薬売りとかは…?

小:うん、それはもう来よったね。今もやっぱり、置き薬はちゃんと来てはるよ。昔も、そうよ。それなどはもう…ほとんど変わってないんじゃないと?

白:はあ〜…

小:うん、置き薬はね。

白:昔は病気になったときどこで診てもらいましたか?

小:そうねえ、あの…地区に薬剤師さんがおったり、中央にお医者さんがおったりしてね。そこから、往診に来てもらったり。場合によってはむこうに行ったり、来たり。医者がいないときはやっぱり、近くにおる薬剤師さんが、往診のようにして来てはった、という状況ねえ。

白:はあ〜…そうですか…

高:電話をかけたら、来てくれるんですか?

小:うん。電話がないときはちゃんと、人が、足を運んでね、お願いするとかね。

高:はあ〜…

白:川原や、お宮の境内に、野宿しながら、箕を直したり、箕を売りにくる人を見たことはありますか?

小:ああ〜…それはほとんど…私気づかんよ〜…

白:そうですか…。あとは、米は麦と混ぜたりしましたか?

小:うん、それはもう確かにね、米と麦を混ぜて、炊飯するというか。

白:何対何ぐらいで…

小:半々ぐらいやったとでしょうか…6:4ぐらいやったでしょうか…麦だけという家もあったでしょうしね。私の家はもう…お米をたくさん入れて…うん、8:2くらいか。

白:(お腹がなる)お腹が減って…

一同:(ふふふと笑う)

白:自給できるおかずと、自給できないおかずはありましたか?

小:うん、私の家はお魚はほとんどお土産とか、買ったりしてね。他はもうほとんど自給。

白:あ、自給ですか?お野菜を…?

小:うん。家内が、お野菜を。

白・高:へえ〜

高:じゃ、季節の野菜を、毎日食べている…?

小:(ふふふと笑う)うん。穀物類はみんなもう自分で作るしね。

白・高:へえ〜

小:お魚くらい…お魚はもう、かなりお土産でいただくからさ。

白:はあ〜

高:お米は、その収穫したお米を、一年間で食べる…?

小:うん、そう、貯蔵して。あと、子供たちにみんなね、買わんでいいようにひとりずつ…

白:あ、送ったりしてますか?それ喜ぶんじゃないですか?

小:うん、喜ぶ。孫たちはもう…「おじいちゃんお米がなくなりよるよ」って。

一同:(ふふふと笑う)

小:喜んで、白米にして送っちゃりょるよ。実際に届けたりね。前原とか、川棚、佐世保の近くの川棚。今日出来上がったら、その日のうちにちゃんと白米に精米して加工してね。二日のうちにつくからね。

白:結婚前の若者たちが集まる宿、わっかもん宿、青年クラブはありましたか?

小:青年クラブはあったよ、昔はねえ

白:ありしたか

小:青年クラブって言いよったねえ。

白:行きましたか?

小:私?うん、私はもうしばらくは行ったことあったよ

白:どういうとこなんですか?

小:そうよ、もうほとんど、若い人たちが集まって、その日の仕事の話とか、明日はどうするんね、という話とか、いやもうね、お互いに意見交換をする場というか

白:これって結婚したら行けないんですか?結婚前って書いてあるんですけど…

小:うん、結婚前に集まる…結婚後はもう、ほとんど行ってなかったねえ。

白:男の人だけで集まってるんですか?男性だけですか?

小:うん、男性だけね。女性が来るっていうことはなかったよ

白:規律は厳しかったですか?

小:いやあうん、やっぱり先輩の人は、「いやあ昔はこうしよったよ」と「先輩はこうしよったよ」とかいうのはやっぱり言いよったねえ。…悪い面ばかりじゃなかったったい、青年宿っちゅうのもねえ

白:上級生からの制裁とかってありましたか?

小:うん、それはやっぱりあったねえ。先輩からね、あの〜、学生時代に。わたしはもう全然そういうのを受けたことはなかったけどもね。そういうことはやっぱりもうあったみたいよ。

高:制裁とかってどんな感じなんですか?怒られるんですか?

小:うんうん、そうね。同年同士、先輩後輩が喧嘩するということもあったねえ。極端にいうと、なんていうのかな、後輩がこう、先輩に向けてやっぱりこう嫌な言葉、をするとか。「何よんじゃ貴様」みたいなねえ()

白:戦後の食糧難とかは経験されましたか?

小:戦後?うちはもう食料でどうのこうのっていうことはなかったねえ

高:全部自給自足ですか?

小:うん

白・高:はあ〜

小:うちはちゃんと、自分の食べる分だけは、確保してあったから。

白:じゃあ若者や消防団が、犬を捕まえてすき焼きや鍋にしたりとか…

小:それはなかったねえ

白:あとは夜這いのことを聞いたことはありますか?

小:それはもうありよったよ。ありよったよ

白:あるんですか?!へえ〜

小:青年宿に泊まりよった夜ね、女の人が、娘さんがおるところに遊びに行こうとか言ってね、うん。そしてやっぱり結ばれるっていう人もおったよ

白:そのまま結婚ですか。へえ〜

小:それはもうねえ、あったねえ。私の知ってる人で。

白:村の中ですか?外から来た人ですか?

小:うん、ほとんどそういうのはもう村の中からねえ

白:よその村からくる青年と喧嘩したことは?

小:う〜ん、そういうこともたまにありよったねえ。

高:よそもんが〜って感じですか()

白:あとは…遊郭はどこにあったと聞いていますか?

小:遊郭?(しばし考え込んで)…今平戸に合併した、大島などがあったと聞いとるね。平戸市に合併した大島…

白:もやい風呂、共同風呂はありましたか?

小:昔はあったんじゃないかなあ。わたしがしっているようなのだったら、共同風呂はほとんど…(ない)

白:だいぶ昔…ですか?

小:うん

白:あとは、盆踊りや祭りは楽しみでしたか?

小:それはもう楽しみにしておったねえ()盆踊りとか

白:もう浴衣とか着て…?

小:そうよ

高:それはいつあるんですか?やっぱりお盆…?

小:うんお盆ね、やっぱりお盆中心にね

白:花火とかはありましたか?

小:花火などはねえ、お盆に小さな和船で若い人たちが船で遊んだり、その時に花火で遊んだり、ね

白:恋愛は普通でしたか?

小:うん、ふつう。そうね

白:田さんは、奥さんとの出会いは()

小:(照れ笑い)うーん、そりゃもう(はぐらかす)

白:え〜(一同笑い)……農地改革前の小作制度はどのようなものでしたか?

小:農地改革うちはもうそんな豊富じゃなかったからねえ、そんな厳しくは受けなかったよ。あの〜、農地改革というのは、基準以上に農地を持っておった人が、じゃあ基準以上のものは、第三者に譲んなさいという決まりみたいなものよ、ね。うちはもう誰もそんな農地をもってなかったからね。三里地区なんかでは大きな地主さんは、そんなこともあったみたいよ。

白:あとは格差のようなものはありましたか?

小:そりゃ全然なかった。格差っていうのは。

白:神社の祭りの参加・運営は平等でしたか?

小:うん、そりゃ平等よ

白:あとはテレビはいつごろ来ましたか?

小:テレビはねえ昭和天皇陛下が結婚されたのが昭和四十、何年だったかな

高:天皇陛下の結婚式を見るために(買ったん)ですか?

小:そういうわけじゃなくてね、やっぱり時代の流れでというか。昔はもう、鷹島役場に一台あっただけだったから。特にあの、面白いものがあってはそこに地域の皆さんとね。

高:一つのテレビにですか。はあ〜。

小:私のうちなんかではもう、よく見に来よったよ。お客人なんか。

高:近所の人が見に来るんですか?

小:うん、そう。

白:ラジオはいつごろですか?

小:う〜ん、ラジオはそうねえ。昭和…20年代ぐらいっだったかなあ。20年代後半には入ってたと思うよ。それももうラジオは部分用を買って、自分で、手作りで作ったことがあるよ(得意そうに笑う)

白・高:え〜?!すごいですねえ

高:聞こえますかちゃんと

小:よお聞こえっとたよぉ。私の父がねえ、亡くなったけどもね、父がテレビが大好きで、テレビがないときだからね、いつもラジオをよう聞きよったよ。

白:手作りでですか?

小:うん。手作りで。とっとけばよかった。(笑)

白:この地区にガスが来たのはいつごろですか?

小:ガス…そうねえ、昭和…40年くらいでしょうか。

白:あと電気は、いつごろですか。

小:昭和…20年代、と思うよ

白:戦争はこの村にそのような影響を与えましたか?

小:戦争?戦争はそうねえ、やっぱりあの、直接この鷹島は戦争でどうのこうのっていうのはなかったけども、やっぱその、戦地で身内の人が出かけるというときに見送りに、だからもう兄弟とか、親戚の人が、その送っていくときにねフェリー…フェリーじゃなくてその、漁獲船があんまり多く乗り込んで、沈没をしたおかげで、百何人かそういうことで亡くなって、やっぱそれが一番…

白:戦争に行く前に沈没して…

小:はい。鷹島から出港して戦地に行く途中で、そういうことがいちばんやっぱりあの、戦争の悲しさというかね、中には戦地にいって亡くなったという方もあるけどもね。、私に言わせるとやっぱりもう、そこらあたりね。私の父が亡くなったけれども。

白:戦争未亡人や靖国の母はいましたか?

小:そりゃ…(いたよ)

白:どのようにして助けましたか?

小:あの、今言うように私の父が亡くなって、母がもう大変子どもが多かったからね。どんなこともして、それこそさつまいもでも、一個でも多く子どもに食べさせなければいかんといってね、一生懸命頑張っとる姿を見ると、ほんとうやっぱり、戦争だなあというような気持ちがしよったね、う〜ん。

白:村は変わってきましたか?

小:鷹島はもう変わったねえ。というのはまず、大橋が(平成)二十年に完成したでしょ。4月かなあ。鷹島市に大橋が開通してね、それでもう鷹島の状況というのは大きく変わっとるよ。

白:いい風になりましたか?

小:そうねえ、例えて申し上げると、町内の雑貨店などは小売業さんも大きな打撃というか。というのは普通の消費者は、佐賀県のほうに買い物に行く。シンエイ町の方には大きなスーパーがある。そういうことでもう地元の商店は、ほとんど売れないというような状況に、大きな打撃が…

白:ありがとうございました。最後にお生まれは昭和何年ですか?

小:わたし?何年だと思う?()

高:お孫さんは結構もう、中学生とかで…

白・高:う〜ん

小:ふふふ。

高:うちの爺ちゃんが…

小:昭和15年。3月の11日。73歳です。

白:え〜、もっと若く…

小:(照れたように)ええ〜どうして?

高:お肌がつやつやでしわがない

一同笑い

小:ありがとう()

白:やっぱり薪風呂(のおかげ)かなあと思います(笑)

小:そうかもわからない。ふふふ

白:入ろうかなあ()

小:そうよ、昭和15311日ね、73歳。いやあ、お客さんに説明するとちょっと、いくつになるんですかってあちらこちらから。どのくらいと思いますか?60代ぐらいでしょ。いやあもう後期高齢ですよってね。ええっ?!って

一同笑い

小:あと皆さんから見てわからんかもしれんが、背筋がピシッととしとるとよ、背が。そうすると若く見えるとよ。そして一時間毎日朝、ウォーキングしますよ。住宅地帯を。

白:この辺をですか?

小:うん、そう。もうそうですね、ずぅっと周辺を。実際に田んぼ作っとるから、田んぼの見回り、水の管理しながら、途中で一番景観のいいところでラジオ体操をして。

高:健康的ですね。

小:昨日ももう、兄と二人で彦山に登って。ほとんどきついって感じないから。

白・高:ええ〜っ?!

白:私たちもちょこちょこ山登りしてるんですけど、バテバテですよ()

小:あの昨日もね、北九州から、小学三年生、六年生の子がおじいちゃんと来てたけどね。家族で、小学生二人。いやあ、ぼくはよくがんばったね、何年生?ってきいたら○年生ですよって。とにかく、山登りっていうのは、一歩一歩、前にすすんで初めて、この、頂上に達すると。だから一歩一歩というのは、足をやはり前に一歩出さなきゃ、頂上に着く時間というか距離というか、縮まらないよと。だからそれは苦しいけどもやっぱり一歩一歩前に進むこと、学校の勉強も一緒だよっと。そうですね()それを乗り越えないと、何をしても、あなたたちもそうよねえ。今は大学一年生ね?もう自分で勉強しよるけどそれを乗り越えて初めて社会に出てね、やっぱ自分の目標に達するという。学業だけでは、私は、将来のね、仕事ぐらいできないと思うよ。学業はもちろん、多くの人と接してね、やはり、いいところをどんどん吸収し、自分を思い切ってPR、これをしないと。PRっていうのは、発信するっていうことね、うん。だからもう、それを乗り越えて、皆さんと接するというか、いやもう、勉強も決まったしごとをすればいいとかじゃなくて、目下の勉強以外のことも、中に入ってね、自分を磨くということが、将来に大きくプラスになると私は思う。だからもうたとえば皆さんがたは、ちょっと年齢的に男性とお付き合いの時だからさ、そのおつきあいもいろんなお付き合いじゃなくて、やっぱり人間的にお付き合いというのがだいじなんじゃないかなあ。そしてやっぱり、この男性だったら、という人をね、やっぱり目標に持ってさ、将来の結婚相手、わたしはそれを見てお付き合いをしたら、必ずいい家庭を作れると思うよ。その場だけじゃくて。特に九大を出た人たちは本当に、しっかりせねばいかんなあということが、大事と思うよ。そうするとご両親も大変喜ばれると。そういう話を私は長年しよっとるよ、子供たちに。

高:お孫さんたちとかにもですか?

小:ちっちゃいけどね、まだ()例えば仕事関係で子どもたちに話すときとかなんかもね、鷹島中学校から松田高校に行ってね、松田高校から長崎大学薬学部にはいった生徒が今年おるとよ。女生徒、中通で中央出身のね。それも朝一番の6時半のフェリーで松高に行ってね。うん、その人はやっぱり鷹島中学校で、苦しいのを乗り越えるっていうか、一番やっぱり小学校高学年、中学校になってから高校に入ってから、やっぱり遊びたい年齢よねぇ。自分の好きなようにして。ところが、やっぱり、規範意識というか決まりを守って、そして、目標に向かって真っすぐというか。それはもうやっぱり、遊ぶことよりも苦しいことは多いよ。それを乗り越えて初めて私は、長大の薬学部に合格できるよと。こういう話を、中学生にちょっとしたよ。

白:ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回お話を伺った小田さん。

 

 

 

 

 

☆番外編☆

 

午後から、教育長の小田さんと区長の小田さんが、車で鷹島を案内してくださいました。

以下、写真を上げていきます。

 

 

 

 

 

 

元寇の激戦の地、中川激戦場にて。

 

 

 

開田の七人塚

 

元軍襲来時、開田付近の家に隠れていた八人の島民が、飼っていた鶏が鳴いたために発見され、七人が殺されたという言い伝えから。それ以降、鶏を飼わない風習が残っています。

 

 

 

 

 

その説明。

 

 

 

 

 

 

 

湧水。

冷たくておいしかったです。

 

 

 

 

船唐津港にて。

和船の話など貴重なお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元寇の石碑。

 

区長さんのお宅にて。

とれたてのタコをごちそうになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

↑元軍の船が見つかった海。

←付近にあった石碑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車からの風景

大橋が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

大橋。

小田さんも完成のために尽力したそうです。

 

 

 

 

奥に見える岸と岸が周辺の最短距離。

しかし、強風が懸念され、橋を架ける地の候補から外れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダム。

島民の生活を支えています。

 

 

 

 

記念写真。

 

 

 

 

 

 

元寇記念之碑。

昭和51年移転建立。

 

 

 

 

 

モンゴル村の駐車場にて。

鷹島では石工業が盛んです。

 

 

 

感想

今回、船唐津や鷹島のお話を伺う中で、鷹島は本当に自然に囲まれた美しい島だなと感じました。お話をしてくださった教育長の小田さんをはじめとして、午後からの鷹島めぐりに同行してくださった小田さんや、船唐津港の皆さん、さらに鷹島で出会った島民の皆さんはとても親切なうえに気さくに接してくださり、心が温かくなりました。人とのつながりの大切さを感じることができ有意義な時間をすごせました。今回、調査に協力してくださった鷹島の皆さんにお礼申し上げます。


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