大野上

   1AG98126M     田中恵太郎
   1AG98187P     平田純史

    聞き取りをさせて頂いた方
          山口徳市さん   大正15年生まれ
            ミキヱさん  昭和3年生まれ
山内町
 しこ名
  クスノキ(楠ノ木)、シシウチ(ダニ)、コタニ(小谷)、マエンハ、
  ハジバ、テジンババ、ハカンシタ、チャ−バ−(田ノ原)、ゴノマ(吾の間)、
  マルヤマ(丸山)、ジュウノシン(十二神)、ヤクシマエ(薬師前)、ムカエ
  田畑
   小字 原、寺ノ下のうちに       チャ−バ−(田ノ原)
   小字 久保田のうちに         ゴノマ(吾ノ間)
   小字 薬師前のうちに         ヤクシマエ(薬師前)
   小字 尾崎のうちに          シシウチ(ダニ)、
   小字 阿捨利のうちに         ハジバ、マエンハ
   小字 楠田のうちに          クスノキ(楠ノ木)
   小字 二つ核のうちに         ムカエ
   小字 尾崎、餅ノ木、阿捨利のうちに  コタニ(小谷) 
  他
   ハカンシタ(墓の下)
 もやい風呂
  男女混浴の露天風呂。当番制で風呂を沸かしていた。
  その隣には共同井戸があった。
 タネツケガワ(種浸川?)
  野菜を洗ったり、洗濯などを行った。
  もみを水に浸していたことからこの名前がついたらしい。
 マルヤマ(丸山)
  世界一小さな火山であるといううわさ。
 水門
  カ−バ−(河原)、ハダ(春田)
 ヒ病院裏
  昔、らい病患者などのための隔離病院が合った。
 水不足について
  村全員で節水を行い、乗り切ってきた。
  雨乞いなども行われ、鐘をたたくと雨が降ると信じられていた。
  最近、頻繁に水不足が起きるのは、乱伐によって山の保水力が落ちているためではないか。
 井戸
  戦後、農家に農薬が普及したことによって、井戸水が汚染されたために今ではまったく使                  
  われていない。
  井戸は井戸掘り職人がいて4〜6m掘って作っていた。
 米について
  大野では収穫量は低かった。その理由としては、肥料を買う十分なお金がなかったこと、
  水利を良くするのに手間がかかり土が十分なものでなかったことが考えられる。
  大野では収穫量は各地で同じ位であり、あまり差はなかった。しかし、餅ノ木の周辺で
  取れる米は美味いが吾の間の周りのものは味が落ちたらしい。
  取れた米はもみすり業者(現在のライスセンタ−の役割、今も存在)へ頼んでいた。
  青田売りはいなかった。
  米はメッキと呼ばれるわらの袋に保存していて、ねずみ退治としてどの家も猫を飼ってい
  た。その後、ブリキ缶(5〜6俵の大きさ)に保存するようになった。余りは政府に売った。
 その他の食料品について
  果物はみかんを栽培していたが、商業目的ではない個人的なものだった。
  海魚は主に干物や塩物で生魚は入手しにくかった。
  川魚はどんじ(ドジョウ)やフナなどを食べた。
  最近では川に流入する農薬や生活廃水のために奇形の魚が見られる。
  塩、タバコは政府の専売品だったので、政府から卸された物を店で売っていた。
 電気
  昭和10年ごろに通る。それ以前はランプを使用。
 ガス
  昭和37〜40年ごろに通る。それまではビャ−ラ−(焚き木、主に松が枯れたもの)を使用。
 祭り
  毎年8月25日に天満宮に於いて行われる。祇園という祭りで饅頭や団子が振舞われる。
  昔は青年団主催の舞などの催しが天満宮の境内で行われていたが、今は婦人会や消防団で
  運営している。(青年団は仕事等の理由で活動しなくなった。)
  1999年6月境内の舞台が出火し焼失。1週間後、隣の村のお宮も出荷。放火の可能性大。
 遊び
  まりつき、独楽、ぺチャ(メンコ)、モクロ(樫の実で行うビ−玉遊びのようなもの)、
  オザッコ(お手玉)、オンコドイ(かくれんぼ)
  ネンポ−:地面に刺さっている1本のくぎの周りにくぎを投げさし、倒したものが勝ち。
 若者の生活
  村祭りのときや青年団の集会所での集いで他の村の人々と交流を行った。
  青年団のものはよく集会所に集まり、その中で独身のものなんかは朝帰りすることもしば   
  しばであった。
 その他
  ゼンモンと呼ばれるこじきが天満宮で寝泊りをしていて年中尽きることがなかった。
  村の人たちが慈悲でご飯をあげたりしていた。
 村の今までとこれから          
  昔はとても人情味があり、親しい御近所付き合いもあった。しかし、最近は都会と同様に
  御近所同士の人間関係も希薄になってきた。若者の多くが都会に出て行くので、これから
  村はまださびれていくだろう。