岡方

1SC98028P  菅田智志  1SC98041T  林 真照

聞き取りした方々  山下 謙次;大正2年生まれ
                 ミツエ;大正6年生まれ


T)しこ名について
  村の名前  ついている場所        しこ名
   岡方        山        オカガタノツジ(岡方の辻)
   *しこ名についていろいろと聞いてみたが、岡方にはしこ名と呼べるようなものはないそうです。

U)一日の行動記録
  まず、あらかじめ手紙を出しておいた生産組合長の方のお宅を訪ねたが、連絡がうまくいっていなかったらしく、ご不在だったので、村で1番物知りの方を教えてもらって山下様のお宅を訪ねた。

V)岡方についての質問と回答
 1)村の発達について
    「昔はね、だいぶん山が多かったですけど、それを切り開いて構造改善って言うとがあったですもんね。みかん畑に、ちょうど10丁くらいじゃろかね。なりましたもんね。でも近頃のいろいろな不況から、みかんでも、生産過剰のごとなってからですね。それでもう、この岡方のみかん畑がなくなったっです。今は、大概もう元の山になってしまったっです。生産がたたんもんですから。みんなもう山に切り替えてですね。今のところは、ニナン畑と、ヒノキ山とかになりました。」

 2)岡方では、米のよくとれるところ、とれないところという差があったかどうか。
    「大概岡方地区はですね、あまり大差はなかったです。少しは差もありましたけどね、大概、目立つような差はありませんでした。」

 3)肥料について
    「昔は化学肥料はなかったですけど、化学肥料が出てきたからといってですね、そんなに差はないです。圃場整備をしましたからですね。20年ぐらい前に。あまり化学肥料が入ったからていうて、差はないです。(化学肥料の)前はですね、山から、草なんかいろいろ取ってきてですね、刈ってきて、それを肥料にしよったですもんね。そいで、化学肥料も少し入れよったです。そいで、牛なんかおりましたから、その牛の大糞をですね、やっとりました。」

 4)米の保存について
    「米はですね、米商人のおんさったけんですね、その人達の買いにきよんさったです。(お金と)交換してですね。売っとりました。」

 5)青田売りがあったか
    「青田売りは知らんごたっですよ。」

 6)家族で食べるお米のことをなんと言ったか
    「保有米って言いよったです。」

 7)米の保存方法について
    「自分のうちのですか。それはですね、米倉つくっとったですもんね。2階なんかに。鼠なんかが入らないように、そこに保存しておりました。そいから、カメなんかにですね、大きいカメを、そいが中に入れて、虫のつかないようにしよったとです。」

 8)種籾の保存方法について
    「種籾も自分のうちに、(お米と同じように)とっとよったです。自分のうちの(米を入れる所を)もっとったですもんね。そこなんか(お米と一緒に)保存しとりました。」

 9)鼠対策について
    「鼠対策はですね、カメなんかに入れとけば、鼠が食べないしよ、ちゃんと2階なんかに保存する所はつくっとったですもんね。」

 10)50年前の食事の米と麦の割合
    「そいは、個人差のですね、家々によって違っとりましたけど、4分6分くらいじゃったろうかね。米6に麦4か、麦を3か。3ぐらいでしょうね。7:3ぐらいやったですか。やっぱい、個人差のね、あっよったです。家々のそこの収穫かなんかで、やっぱい、好みもあるし、そしてやっぱし、そこのちょっと、昔は貧富の差もあっよったけんですね。それによってもやっぱい、米を余計に売るほうにして、麦を余計に食べていって、そんなところもあったしですね。一軒一軒違いよったでしょ。わたしとこはやっぱい、7:3ぐらいじゃったでしょ。」

 11)稗や粟のような雑穀を主食にすることがあったか
    「そんなことございません。」

 12)村の動物について
    「昔は、やっぱしこの、田舎にはですね、一頭ぐらいはどこの家に   でも、牛のおりました。馬は、この村にはあんまり知らなかったです。牛がだいたいですね、一頭ぐらいおりました。雌が多かったでしょう。牛ば使って農作業しよったですよ。雌牛からはですね、たまには、子供を産ませよったです。子牛は育ててですね、市場に出しよったです。」

 13)博労について
    「おりました。どんな人ってやっぱし、どうてちごうた人じゃなかったですけど。元気な人じゃったです。」

 14)塩や魚はどこから来ていたか
    「塩は伊万里からきよった。魚も、武雄か伊万里やろ。(塩売りや魚売りが)おんさったとやろうね。」

 15)村の祭りについて
    「村の祭りは、風流どんが、祇園やら、秋祭り、夏祭り、そんなとがずっと(あります)。お彼岸ごもりいうてですね、秋祭りたいね。ずっと秋祭り、夏祭りもあるかね。祇園ていうて、夏が、祇園祭ていうて、祇園祭の夏はあっよったですもんね。そして12月にお祭りていうて(ありよる)。それは相撲もありよった。青年相撲の。相撲の昔はありよった。今はありよらんけど。」

 16)土地の神様について
    「昔は、神さんのいくらでもおんさいたろう。今は、合併して、1つに、合社して1つです。各部落にやな、小部落に、あったわけ。ずっ   と部落にですね、神さんのおったです。岡方は、薬師堂さんじゃ。薬師さんて言いよったもん。岡方はですね。」

 17)昔の若者について
    「昔の人ですか、若い人は、青年クラブっていうてですね、あっよったですもん。合宿して、一緒に独身者の青年さんだけ、一緒に寝泊りしよんさったとです。男だけ、独身者が集まってですね。夜は、働きよらんやったですね。」

 18)用水源について
    「用水源は河川の井関ですね。岡方川から。堤があっですもんね。(堤は)個人とかじゃないです。村としてですね。みんなで使うわけ。区有で。」

 19)村のこれからについて
    「ちょっと今は、農業のほうがね。だいぶん、スポーツのはやってきて、そいは盛んに町でですね、なっよっですけど。この、百姓のほうがですね。農業のほうが、どんなになるかなっておもうごとあっです。農業経営がですね。」