服部英雄のホームページ

   中央一の岳、続いて右二の岳、さらに三の岳、白滝

沖ノ島(沖の島)一ノ岳(標高243m)

 このしまは、「おいわずさま」(不言島)。信仰に関係のない近代以降の施設に 限定して紹介する。  2010、10,2世界遺産会議の現地調査チームに随行させていただいた。 圧倒的な迫力の岩陰ほか祭祀遺跡見学に時間を要し、すでに2時半。乗船時間 までわずか1時間になったが、山頂を目指した。無数のおおみずなぎどりの巣 で穴だらけの急坂をいく。沖津宮より登り30分。山頂に施設を持つNTTが登 山道を管理している。人家こそないが、海上の漁民が利用する。海の安全から もDocomo施設が必要ということだ。擬木階段が多い。ロープが多用され、頑 丈なステンレスの握りもある。重いものを運搬することがあるのだろう。途中 に太平洋戦争時の軍事施設の基礎が残っている(下にも「防」の刻字のある石 標があった)。  本当のてっぺんは灯台(沖ノ島燈台)の屋根、だが登れない。  判読しづらいが、プレートの文字は「沖島燈臺 初點明治三十(旧字)八年四 月、改築點燈 大正拾年拾貮月壹日」のようだ。初燈は日本海海戦(5月)の直 前のこととなる。いまは無人化されている。

 一の岳・沖ノ島燈台  銘板

 三角点は上の写真の左、ソーラーパネルの下にある。大型で、いわれれば 一等三角点らしくみえるが、一〇〇年の間に削りつづけられ、形状も方柱とい うよりも方錐に近く、文字はみたところ確認できない。またコンクリ基壇の上 にさらに高くコンクリ台上に置かれていた。諸施設が設置されたときに、当初 の旧位置・標高を維持しながら、人工地盤としたとみた。三角点本体が削られて いる上に、地面にないから痛々しい印象を受ける。2万5千分1図では灯台から は若干離れた位置のように描かれている。  山頂から二ノ岳・三ノ岳・白滝にいたる道があり、二ノ岳・三ノ岳は頂部を 迂回しているという説明だったが、道はすでにないという人もいた。白滝は帰 りに海から見た白亜の崖をいうのだろう。  訪島50回以上の文化財・磯村さんの個人的体験をきくと、むかしは博多から 灯台保安船が出て、福間・大島に立ち寄ってから沖ノ島に向かった。交替する 大社の神官が大島から便乗していたという。片道6時間かかる。日帰りはムリ。 出張した県庁職員はかならず宿泊した。いまは時速60キロの高速船でわずか に1時間。

 一の岳から西方と海

 一等三角点の現状

 白滝(推定)


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