【神埼郡三瀬村宮ノ口】

歩き、み、ふれる歴史学 現地調査レポート

 

理科1351MD96010井手誠

lMD96025大穂有恒

lMD96050角有司

調査地 佐賀県三瀬村宮ノ口近辺

調査に御協力いただいた方々

八田貞己さん 昭和2年生

田中イツさん 大正7年生

中島ノブ子さん 大正12年生

田中久米次さん 大正6年生

柴田フミエさん 大正12年生

 

しこ名一覧

かみがらうら    うどむき

はたけだ           こざか

くまばる           いしのもと

はら                  うらた

みやのくち       やまかみ

たぬきのうど    とこなみ

きしたかやま    うすぎ

せいだ              はらきりだいら

ふうのき           ほうのき

 

当日の行動について

三瀬村宮の口近辺を担当することになった私たち三人は、まず宮の口橋に到着した。川の両側に民家があり、どの家から訪ねていこうかと思案していたところ、鳴瀬川に架かる宮の口橋の横に小さな河川敷があるのを発見した。その河川敷はゲートボール場になっており、ゲートボールの練習をしているお年寄りのグループがいた。これは好都合だということで、まずはそのお年寄りのグループに聞いてみることにした。

ゲートボールのゲームの途中だったので、邪魔にならないように、ひと段落するまで待っていたら、向こうから話しかけてきてくれた。その方に「九州大学の学生ですが、この辺りの地名で、ここの人の間で通用するような通称の名前を教えていただけませんか。」と、しこ名の説明をしつつ聞いてみたところ、一つそのような名前が出たので、「そういった名前が知りたいのです。」と言って教えてもらい始めた。そうすると後は簡単で、それまでに出た名前以外に何があったかを思い出せずに他の入に闇いてくれたので、私たちは最初から説明することなしに補足説明するだけでよく、かなりの手聞が省けた。それでも初めのうちはなかなか進まなかったので心配したが、ゲートボールのゲームの間を縫いつつも、話しをしながら考えてくれたおかげでかなりの数のしこ名が出た。あと、村有の山林についても聞き、一カ所教えてもらったが、その他に、しこ名を教えてもらう途中で、「きしたかやま」が村有の山であることを聞いた。

そうやってしこ名が出尽くした頃、お礼を書ってその場を去ることにした。ちょうどその地区のお年寄りがゲートボールの練習をしていたおかげで、能率的に収集作業を行うことが出来たが、どうやら翌日に地区対抗の試合を控えていたための練習だったらしく、私たちは運が良かったらしい。その上、そこに居合わせたお年寄りの方々は、ゲームのプレー中、自分の順番が来るまでの時闇を利用してまで、こころよく私たちの調査に協力してくれたので大変助かった。

 

しこ名収集で気付いたこと

必ずしもお年寄り全員が地図を正確に理解できるわけではなく、途中で川の岸を逆に考えていた入がいるのが分かり、訂正した部分もあった。そのような失敗を極力防ぐためにも、聞き取っている場所から目に見える範囲なら、地図上ではなく、直接指さしてもらって、こちらで地図に記入していったほうがスムーズにことが運べる。また、新しく出てきたしこ名の指す場所を特定するために、それまでに聞き出したしこ名を使うと便利であった。

 

しこ名一覧についての補足説明

聞き出した名前の中には、地図の範囲以外のものや、場所の特定が難しいものもあったが、他の班の聞き出したしこ名の裏付けに役立つと思い、前述の一覧の中に入れておいた。

発音に関して、「たぬきのうど」の「うど」の部分を「うーとー」と発音することもあるらしく、その他にも、しこ名が通称の名前であるだけあって、細かな発音がハッキリしない人もいた(しかし、その場にたくさんのお年寄りがいたため助かった)

しこ名一覧の申に「ほうのき」というのがあり、それは北山ダムの中の湖岸際のある場所を指すらしいが、特定出来なかった。あと、「やまかみ」というのは、しこ名を記入していく地図上には無かったが、お宮があるらしく、その裏側(すなわち、山側)に位置するらしい。



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