【唐津市佐志中通地区】 農村・山村を歩いて考える
1EC97128 長瀬祐樹
12月23日に、唐津市で現地調査を行ったわけだが、農村・山村を歩いて考えるという名前の講義であるわりには、現地に行ってみてもあまり農村というような感じはない、ごく普通の町であった。 こんな所でまともな調査が出来るのだろうかという不安が頭をよぎった。この調査の目的は水田や用水路等の古い名称を調査することであった。これほど近代化してしまっていると、もう誰も憶えていないのではないだろうかとも思った。しかし、意外に多くのことを憶えている方がいて、多くの話を聞くことが出来た。 農地の名称やその由来や歴史的なことなど、様々な話を聞くことが出来た。 しかし、これらの名前も、近代化してしまった今ではほとんど使われなくなっており、人々の記憶から消えようとしているのであろう。これらの名称は人々の生活に深くかかわっていたものであり、昔の人々の生活様式等を調べる上でのかなりの資料となり得るものであり、そういう重要なものが人々の記憶から消えようとしているのは非常に惜しい。 形がないものである故に、忘れられるということは、この世から消えてなくなるということである。 故に我々の行った調査は非常に有意義なものであろう。このように考えると、最初は嫌で嫌で仕方がなかった現地調査も、使命感のようなものを持って行うことが出来た。 また、唐津の人は皆、親切な方ばかりで、そのおかげで調査も円滑に行うことが出来た。そういう意味でも、今回の調査では得るものがあった。 すべてが終わった今、ふり返ってみると、今回の調査は色々な意味で得るところの多い、有意義な調査であった。
〔佐志浜町 佐志中通・佐志中里の手描きの地図あり、原本は佐賀県立図書館所蔵〕
・中里では主に水田のことを馬場と呼び、その用水路を馬場下と呼ぶ ・馬場…水田。かつてこの付近には多くの馬が走っていたからとされる。 ・馬場下…用水路。水田(馬場)の地下にあるという理由から、そう呼ばれる。 |