【東松浦郡七山村大白木】

現地調査レポート

 

1LA97281 山本万平

1LA97291 渡辺 綾

話をお伺いした方

中村豊吉さん(昭和8年生まれ)

 

<七山村大白木におけるしこ名一覧>

・ヒラバルダ(平原田)

・スガノタニ(菅ノ谷)

・ヒラタ(平田)

・ジョウベットウ(上別峠)

・キタムキ(北向)

・ナナツブキ(七ツ吹)

・タテイシ(立石)

・ハブケ(羽吹)

・トウゲ()

・フクミチ(福道)

・シンデン(新田)

・コウチ(高地)

・ハギノウチ(萩ノ内)

・ドウダロウ(道太郎)

 

<七山村大白木における水路名一覧>

 ・ヒラタイデ

 ・ハルダイデ

 ・ジョウベットウイデ

 ・ヒラバルダイデ

 ・ナカドノイデ

 ・フクミチイデ

*用水源は90すべて狩川川で、他の村との共用水路は無し。

 

<部落内における昔の配水の慣行、約束事、水争いの有無>

配水の慣行や約束事のなかった頃は、水路に各自が何箇所もの堰を作ったため、下のほうの田んぼまで出水が回らないことがよくあった。そのため、下方の田んぼを持つ人が上方の堰(泥やワラの塊で作った)を壊すなどの争いがあった。しかし現在では堰を1箇所だけにして、平等に配水がなされるようになっており、また田んぼの一つ一つが昔よりも大きくなって、水がたまりやすくなっていることから、水争いは起こっていない。ただし、水路の掃除や整理は関係者がそれぞれ行っている。

 

3年前の大干ばつについて>

干ばつでも田んぼが広かったため水の溜まりがよく、被害は小さかった。しかし、出水(山まの水)を用いる田んぼでは被害は大きかった。

 

<村の祭祀について>

氏神様の祭りが年6回ある。

春祭り→つくりあがり祭り→祇園さん祭り→彼岸祭り(9)→霜月祭り(お宮の本当の祭り)→年越祭り(最近始まった祭り)

 

<村の耕地について>

昔は山や峠の方では、平地に比べると収穫高は低かった。しかし、現在では品種改良によって、その差はなくなっている。

 

<村のこれからについて>

数年前のゴルフ場建設時に、かなりの農家がその田畑を売却したため、出稼ぎだけで生計を立てる家と、従来通り農業を中心に行いながら出稼ぎに出ることで生計を立てる家とにはっきりと分かれた。また、減反政策により、補償金を受ける代わりに、数年間農業を中断する農家も出てきた。しかし、田畑は3年以上放置すると、元の地力に戻ることができなくなるため、農地は減り、農業離れが進行している。その中でも、私たちが話を伺った中村さんは、ハウス野菜やハウスミカンを作ることで農業を続けられている。余剰作物を無人販売するも採算が合わず、村全体で本格的な販売に乗り出すが、隣村との競争が激しくなり困難な状況である。

また、イノシシや猿といった動物による作物の損害も大きく、とくに猿については策の講じようがなく、今後の最重要課題となっている。

 



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