【多久市南多久町瓦川内、柳の内地区】 山村を歩いて考える 現地調査レポート 1EC97206 大森健功 1EC97217 国見寛通 調査日:12月21日(日)晴れ 調査地:佐賀県多久市南多久町
当日の朝7:30に集合し目的地に向かう。約1時間半で目的地に到着。班のもう一つのグループを車からおろして自分たちの目的地に向かう。 地元の方にその辺りの昔の農業の様子を伺うが、一軒目の農家ではしこ名、昔のことなどはよく分からないらしくて、詳しい話を聞くことができなかった。現在その周辺では農業を行っていないと言っていた。その理由は水の確保が困難なためらしい。昔は作っていた理由などを聞いてみたが、その理由はよく分からないらしいが、昔は、今農業をしている地域も水の確保に於いて大差がなかったためではないかとおっしゃっていた。 次に訪ねた家ではおばあさんがいていろいろと質問をしたが、質問の答えをもらえず、息子の話を延々と聞かされた。この話はただの世間話であったが、内容から息子は出稼ぎに行っている様子ださたので、やはり若い世代が外へ行ってしまっていて、高齢化が進んでいる様子であった。 その後訪ねた農家(中島 正嗣さん宅)では何年か前に同じ事をしに来た先輩方がいたということで、様々な話を伺うことが出来た。 この地域のしこ名、井堰の名は以下の表。 井堰とは用水路から田んぼの中に入れる水の量を調整するための堰で、いくつかの田んぼに一つあり、それぞれに呼び名が付いている。
*2つの黒岩は呼び名は同じだがそれぞれ別のもの。
過去にあった水不足のときもダムのおかげで涸れることなく用水路に流れ込み、その水を井堰を使ってまわし水(井堰を開閉することによって3日から4日おきに田んぼに水を張る)をすることによって、稲作にほとんど影響はなかったという。 続いて現在のこの地域の農業、日常の様子などを伺った。 農業については、やはり後継者問題を含めた若者の流失がこの地域でも大きな問題となっているという。この地域の青年団も何年か前に失われたと言っていた。また、中島さん宅近辺の農家では、農薬を通常の使用量よりも少なくししている緑健栽培という方法をとっているので大変らしい。 このため、農薬が少ない中島さんのお宅では農作物を農協に出荷せずに違うところに出荷している。農薬問題について伺ったところ、中島さんが言うには現在の農作物の多くは、農薬を少しは使わないと実らないとおっしゃっていた。特に果物。 これらの理由でこの地域では専業農家の数が減少しており、今では中島さんを含め数軒になってしまっているということであった。専業農家でない人の多くは土方との兼業で農業をやっているらしいが、どちらも大変だろう。中島さん宅で話を伺ったあと、記念撮影をさせてもらった。 その後お礼を言って出発しようとしたところ、出荷前の収穫したばかりのミカンをたくさん頂いた。 出発後、井堰や田畑の写真を撮り、残りの班員との待ち合わせ場所に行き、合流して最後に記念撮影をして佐賀の地を後にした。 今回の「調査」は遠方(神奈川県)から九州大学にきた自分にとって、授業というより日帰り旅行のようなものであった。また、地元の人への聞き取りを通じてミカンをもらったりして久しぶりに「人情」の様なものを感じることができた一日であったと思う。
|