【神埼郡脊振村田中】 現地調査レポート 1TE96558 豊高裕史 1TE96902 藤原斉二 お話をうかがった方 中田福次さん(大正14年12月 70歳) 森崎俊次さん(大正5年10月 79歳) 西川初男さん(昭和5年10月 65歳)
しこ名 田 マエダ オオタ ゼンベエダ アンコクダ ニンジュウ サクラノキ ハナフカリ 山 ムカイ山 谷 ウマステ カンロク 水路 ヒョウゴ 行動記録 バスから降りてまず区長を訪ねたが仕事に出ており、その後3、4軒ほど尋ねたが家にいるのはおばあさんばかりだった。仕方がないので、その人たちに尋ねても自分は他の町からここに来たのだから昔のことをよく知らないと言われた。どうも年配の人でも地元に出ている人が多いらしく、午前中は全く情報が得られなかった。 古賀の尾に同じ班のグループがいるので情報を聞きに行くと、少しほど情報を仕入れていた。質問方法を聞いてみると年配の人にいちいち田んぼについて詳しい人を聞くのではなく、すぐしこ名を聞いていたようだ。それとしこ名という呼び方は分かってもらえないらしい。今は古賀の尾について詳しい西川さんが村祭りの集会に行っているので集会場所の神社に行くところだというので、僕たちは集会なら田中の方にも詳しい人がいるかもしれないと思い付いていった。 神社について田中について詳しいと言う森崎さんを呼んでもらったが、地図が見えにくかったらしく、田んぼの一つ一つのしこ名までは教えてもらえず、村の人々が使っている地名を教えてもらった。西川さんは田中のことにはあまり詳しくなく情報は得られなかった。これではまだ情報が少ないので何軒かあたってみると、中田さんという人が詳しいというので中田さんの家行ってみた。 中田さんは田んぼの名前だけではなく、いろいろなことを話してくれた。中田さんの家の周りには、「サクラノキ」といううところで、家の前の田んぼを「ウバコダ」と言ったそうだ。 その由来を聞いてみたが、昔からの言い伝えでそこまでは分からないらしい。目の前にある山を単に「向かい山」と言い、山のふもとの木が生い茂っているところにある田を「アンコクダ」と言ったそうだ。 プリントにも出ていたが、他の家では「オオタ」「マエダ」もよく使う名称らしい。あと「ゼンベーダ」というのもあったが、これは昔ジンベエという人の持ち田だったのでそうついたらしい。「ムカイヤマ」に深い谷があるそうで、この谷を「ウマステ」と呼んでいるらしい。 水路については歴史から教えてくれた。この水路は江戸時代の頃鍋島藩の成富兵庫茂安という人が堀を工事し、水路網を敷いたらしく、長いものは6キロにも及ぶものだそうだ。 後「イデアゲ」という村で行ういわゆる水路の掃除についても語ってくれた。この作業は水路に入っている草を狩る作業で共同で行ったらしい。 そして1994年の内容についても聞いてみた。話を聞くとどうやらそれほど大変ではなかったらしい。なぜなら中田さんの田は山に近いので、梅雨を過ぎると山から必ず湧き水が出るので心配ないとのことだ。かえって平地の田んぼは雨水に頼っているのでかなり大変だったらしい。そして旱魃のときには、ほぼ冷たい湧き水に頼るので中田さんの田んぼは豊作になるそうだ。 田中に調べに行ってまず思ったのは、方言がかなりクセがあり聞き取りにくかった。そして高齢にもかかわらず農作業をしている人が多かった。天候も曇りで涼しく、プリントに書いてあったほど厳しい状態にならなくて良かったと思う。
|