歴史と異文化理解A 現地調査レポート

松下正治

毛利陽介

 

※調査地区:相応・元相応

 相応・元相応地区は、佐賀土地改良管理によって、北山ダムから水を引いている地域である。橋についてのしこ名には「新橋」「高橋」などがある。井樋については、毎秒8tもの水を排水できる「どんぽ井樋」や「うちえいご」などがある。

 村の水利のあり方で、水利慣行は井樋で調整しているが、それをめぐって殺人さえも起きたという。水利の神様として「成富兵庫」という人物がまつられている。

 一昨年程度の大干ばつが30年前にやってきていたなら、どうなったかと尋ねると収穫は皆無であると答えられた。地下水を汲み上げても地盤沈下になってしまうらしい。

 入会山については、確認が取れなかったが、共有田(=祭田)については村で7ヶ所あり、コミュニケーションの場になっているという。

 また、戦前において良田では反当56俵、悪田では反当23俵の収穫があったとも教えてくれた。肥料としては魚粉、人糞、牛、馬糞を利用していたらしい。

 最後に日本農業の展望について後継者不足による機能マヒや2005年くらいに訪れるであろう食糧難を危惧しておられた。

 

※ご協力いただいた方:古賀保さん(昭和8年生まれ)



戻る