【佐賀郡諸富町陣の内地区】

歴史と異文化理解Aのレポート

S1−15 944753 高見 豪 (相手は田之上拓也)

 陣の内でバスから降ろされた自分ら2人は、はじめその地域の人達(全員50〜60代の男性)が、6〜7人で神社のほうへ歩いていくのを見つけた。これ幸いと思い、しこ名などのことを尋ねてみたが、「知らない」「今日は忙しいから」と断られてしまった。それからしばらくの間区長さんの家など3〜4軒を尋ねてはみたが、留守であったり、家に子供しかいなかったりなど質問すらできないでいた。ところが、聞くところによると、今日は一年に一度の陣の内のお祭り(名前を忘れました)らしく、大人はみなある家へ集まっているらしい。
 自分らはその家を尋ね、自分らがどういう者で、どういう目的で調査にきたかということを伝えたところ、皆お酒も入っていたことも幸いし、一年に一度の大行事にもかかわらず、家の中へ案内してもらい、調査に協力してくれた。質問には地域一のご年配の方(年は70歳だったと思う)と、50代後半ぐらいの方との2人が応じてくれた。気づけばその内の1人は初めに神社へ向かっていた集団のメンバーの1人であった。そこでまず地図を広げながらしこ名のことを尋ねると、初めはとまどっていたけど1つ出てくると案外たくさんのしこ名を聞くことができた。また、水路については近くを流れる佐賀江川がその主となっているが、新しい水路(もちろん近代的なコンクリート製のもの)も現在建設中らしい。そのうちその人達はその地域の農業主体について話し始めた。どうやら陣の内は自分らみたいな調査隊が、近くは佐賀大学から、遠くはなんとカナダまでたくさん尋ねてくるらしい。なぜかというと陣の内は農業用地の区隔や用具の機械化など農業の試験的なことが行われているらしく、「我々の地域は農業の最先端をいっている」と得意げに言っていた。しかし現在全国的にも言えることだが若い人達は皆地域を出ていき、後を継ぐ人がいないという苦悩の一面もあった。30〜40分程でひと通りの質問が終わり、せっかくのお祭りだから長居しては申し訳ないと思い帰ろうとすると「お兄ちゃん達も一緒に飲んでいかんね」と集まっていた8〜9人くらいの村の人達に誘われ、断ることもできずごちそうになった。そこでは自分がお酒を他の人からついでもらったら自分のおちょこを渡し、つぎかえすという風習があるらしく、自分らも「郷に入りては郷に従え」ということわざ通りにとけこませてもらった。おまけに飲み会が終わった後も、「うちにちょっとよっていきなさい」と誘われ、またまたお世話になり、本当に至れり尽くせりだった。多少頭がぐらんぐらんとしてはいたが、しかしとにかくこの調査のおかげで地域の農業のことはもちろん、年輩の方々とお話しできる機会をもてたことをうれしく思う。

名刺ももらいました。



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