【三養基郡三根町納江地区】 歴史と異文化理解Aレポート 1AG95023■ 井手静香 1AG95027■ 稲永英子 1AG95038■ 岩本優子
水田調査結果 1 田んぼについて・さんげの田んぼ(しこ名) 昭和初期の農林水産大臣の命により川を埋めてつくった田んぼ。 ・ 他に、谷渡、三本松、四本松、五本松、二本杉、三本杉(場所は地図に記載:地図は佐賀県立図書館所蔵) 2 村の水利のあり方について@過去 ・ 坂口水門と天建寺水門。二つの水門の開閉だけで水を供給。納江、下安永から浜田、持丸まで約60町を満たす。 ・ クリークが碁盤目のように並んでいた。灌漑をしない時はゴミが溜まり、水を引くときにあまり入らなくなって田んぼが干上がるのでゴミ取りの必要が出てくる。ゴミ取りの際に「かんぴょい」と呼ばれる器具を用いる。(図省略) ・ 昔はゴミに藁を混ぜて肥料として用いた。 A現在 ・ 幹線水路ができ、大堰から水を買わなければならなくなり、問題となっている。農家の人たちの同意のもとで行われたことになっているが、実は半強制的にされたとのこと。 3 水の引き方について・ 苗代の準備の始まる6月中旬から9月の10日から15日まであおを利用する。 ・ 今月(7月)の26日は潮が最も少なく、28日が満潮となる。28日から30日まで潮が多い。 ・ 水を利用する間、地域の人が生産組合の中から水利組合を設けて日当を出し、水を取り入れてもらう。 ・ 23〜26日に田んぼの中干しをする。 ・ 1994年の渇水では水不足にはならなかったが、塩害(有明海からの水)が起こった。対策としてあお、井戸水を取り入れて、潮が少ない時にも水を引いた。さらに塩害を防ぐため、有明海から遠い方の水門(天建寺水門)から水を取り入れ塩分濃度を低く保った。 4 裏作についてうるち米と餅米を3:7の割合で作っており、水稲の田んぼは全て裏作している。裏作の作物として冬小麦、大豆など。 5 その他・ 集団減反として1町5反の減反。三根町からの通達。 ・ 魚とりが楽しみの一つとなっている。「えつ」という魚がクリークにひっかかっていてそれを取る。とてもおいしいらしい。1匹300〜500円で料亭で食べられる。 ・ 現在の農業の問題として若い人が少ない。新しい考え方を取り入れられない。頭の固い老人が多い。気温や降水など毎日記録すれば来年の参考になってよいだろうとの意見。毎日ミーティングして能率を上げたい。 ・ 93年<実測>。北海道の50軒の農家の内、1,2軒が冷夏の対策として田に水を盛んに取り入れ、温度を一定に保つようにしたため、平年よりも僅かに少ない収量に被害を抑えることができた。毎日の記録を資料として使ったため成功した実例である。 ・ 農薬の使用を減らしていくことが今後の課題である。 |