【三養基郡三根町市武地区】 歴史と異文化理解Aレポート S1-29田口和憲 寺元理恵 F 村の水利の在り方について 淡水(あお)灌漑を行っている。 期間は5月(苗代)〜9月まで。 毎月1日と15日に3〜4時間くらい行う。 当番制で部落で区役日当が出される。1日3升(4kgぐらい) 100年前までは井樋による方法であったが、今は同じ場所からモーターを使って汲み上げている。 来年から3年間、筑後川の農業用水の試験通水が行われる。久留米に大きな堰を作り、地下を通して農業用水を各田に送る。 国の土地改良事業の一環で、国、九州4県、町が費用を出し、農家の負担はないが水を買わなければならない。 ○旱魃のとき ・水車で汲み上げる。 ・山水の利用。 ・井戸(地下30〜40m)を掘って地下水の利用。 1994年のときは井戸を掘って凌いだ。筑後川の水が少ないため、国道より下流の田は海水で被害を受けた。市武は真水のほうが上がってくる(真水は海水より軽いため)特に大きな被害はなかった。 市武は水害地帯であるくらいなので、旱魃による被害はないらしい。30年前だったら?と問いかけたところ、全く同じことをしたという答えだった。 井柳川の様子(写真省略) この写真からもこの土地では有明海から流れ込んでくる海水と長年闘っていることが分かる。 G 村の範囲は地図上を紫のマーカーで示したとおり。(地図省略) H 地図を見ても分かるとおり、市武は水に囲まれた村である。よって村の耕地は水田であり、裏作としては藺草が栽培されていた。(写真省略) 現在も藺草は栽培されているが、徐々にその姿は消しつつある。変わってアスパラガスやイチゴがハウスで栽培されている。特別収穫差はないらしい。 <協力してくださった方> 前区長の石井佐さん(82) 区長 宮島武治さん(65) 多々良忠義さん(67) I 今後の日本農業への展望 先が見えない。 ・新食糧管理法……備蓄米200万t以外は自分たちで売らなければならない。 ・ 自由化……6年後には自由化になる。1/7〜1/10の値段のアメリカ、オーストラリア産の米に対抗できるのか? 現在市武では農家65戸中、専業農家はたったの5戸。しかも、兼業農家はほとんどが第二種兼業農家である。農業を支えているのはほとんどが老人で若者の不足は否めない。 減反によって何も栽培されていない土地。国の補償によって成立している。(写真省略:入力者) 当初我々の班では、しこ名の説明ができないかもしれないというお知らせがあり戸惑いましたが、市武の皆様の御厚意により何とかレポートすることができました。不足の点も多々あることは申し訳ありませんが、これが短時間に調べられうる最大限でありました。 レポートの際、気付いた点で農家は今も昔も常に政治に支配され続け、これから先も政治に支配されるものだということです。 食糧と国家は常に歴史の同じ舞台にあったのでしょう。その下で地道に工夫しながら生産を向上させようとするその土地の土着の人々の姿は歴史の一貫したかたちのように感じられる。 僕たちは歴史と異文化理解のレポートを通して、そのような人々の生活や考えに少しふれることができ、今後農学部の学生として専門課程に入っていく上でも、これからの人生においても自然と闘い、政治と闘い、経済と闘う人の姿は勉強になりました。 |