【三養基郡三根町土居内地区】 歴史と異文化理解Aレポート 1AG95256■ 山口史香 1AG95259■ 山下舞子 1AG95263■ 山本陽子 話を聞いた方 中山亘侑さん 昭和12年生まれ 古賀茂光さん 大正8年生まれ 私たちは午前11時頃中山さんのお宅を訪問し、中山さんとその奥さんに話をうかがいましたが、ある程度聞いたところで、それ以上中山さんも分からなかったので、古老の古賀茂光さんを紹介してくださいました。古賀さんはその一帯では「生き字引」と言われるような方で、いろんなことを聞くことができました。 F 「村の水利のあり方」について ・筑後川から引水されて、溜池はなし。 ・大堰で調整し、地下に太いパイプがある。 ・揚水機で田んぼに水を送る。 ・用水は東区で集団利用している。 ・南島に水利権があるので、お金を払っている。 ・境いでが他部落との共同の水利で水位が高いときは水が流れる。 ・5月〜10月まで1日と15日を中心に5〜6日、3〜4時間東分の人が井樋番をして淡水灌漑によっていた。 ・井樋番は東分の人がしていたが、招集があるときだけ土居内の区長さんもしていた。 ・手当は水利組合からだったが、土居内が東分(持丸)に費用を出していた。 ・ この非灌漑時期のゴミは肥料として使うより、水の流れをよくしたり水が沢山溜まるようにしたりするため取っていた。 ・ 去年はイチゴなどに塩害がでたくらいで大きな被害はなかった。圃場整備以後は水には苦労しなかったが、もし30年前だったら稲は枯れていただろう。 H 「村の耕地」について 収穫差はほとんどないが、だいたい良い田では60kgを7俵、悪い田では5俵ぐらいで、土地の良し悪しではなく、栽培法の差であった。肥料は硫安、大豆糟で麦の肥料は堆肥(牛糞)。 昔は麦わら家ばかりだったが、戦後新築し、道路、水路もよくなったそうです。 昔は専業農家ばかりだったけれど、今は専業農家は2軒だけで、他の仕事もしないとやっていけないような状態になってしまいました。家が散らばっているので広い田がとれにくく、6,7反ぐらいしかまとめることができないので、大型機械が使いにくいそうです。 今一番深刻な問題は、農業の後継者不足で、この土地でも後継者がはっきり決まっているという家が一軒もないという状態だそうです。中山さんご夫婦もこの村一帯の今後についてかなり心配されていて、行政で何か対策をたてて欲しいといっておられました。 最後に今回このような調査をして、農家の実態をはじめて現実のこととしてとらえることができました。古老には戦争のことなど、普段聞くことができないようなことを聞けて、たいへん貴重な経験ができたと思います。農地の後継者不足の問題はかなり重大な問題だということがひしひしと伝わってはました。この実地調査はたいへんためになったと思います。 |