【佐賀郡富士町溜山・広沢・杉山地区】

佐賀県におけるしこ名調査 現地調査レポート

S1-14 1TE96802 越智文俊

S1-14 1TE96829 村山和孝

 

調査日 1996年7月24日(水)

 

情報提供者

 溜山:野中さん 女性

 広沢:高松さん 女性

 杉山:(倉庫でほうれん草の仕分けをしていた人に聞きました。人数が多く、僕たちも時間がなくて、名前を聞けませんでした。何人かのうち、恰幅のいい女の人がよく教えてくれました。)

 

<コメント>

 どこの村でも男性よりは年をとった女性の方が親切に教えて下さいました。

 

しこ名一覧

・溜山 上の開き田(うえんひらきだ)

    中の開き田(なかんひらきだ)

    下の開き田(したんひらきだ)

<コメント>上の3つは家から川までの間の階段状の田圃でした。下図のようになってました。(図省略)現在はみょうがを植えて畑になっていました。農道が狭くてトラクターが入らないそうです。

    大狭地(おおせまち)

    <コメント>上の3つの斜め上にある田圃です。現在は田圃ではなく桜の木を植えているそうです。恐らく植林用だと思います。なぜ桜なのかは聞き忘れました。

    急角田(きゅうかくだ)

    東の開き田(ひがしんひらきた)

    <コメント>急角田は昔3枚の田圃だった所を1枚に、東の開き田の方は4枚を1枚にして広くしたそうです。昔の田圃の名はわかりませんでした。

 

(まとめ)溜山について

 四戸の集落(地元では部落と呼ばれていました。)で田圃をする男の人は兼業でしているようでした。集落には3人おばあさんが居り、そのうち野中さんがよく知っておられました。集落から少し離れた篠原さんの所の田圃は古い田圃だそうですが、今は、佐賀市の方に出ておられて住んでおられないそうです。田圃は、貝野集落の人にしてもらっているそうです。篠原さんの所の田圃のしこ名はわかりませんでした。この次調べる時は貝野の人に聞くといいかもしれません。

 

・広沢 上の開き田(うえんひらきだ)

    倉ノ後(くらんしろ)

    小不毛(こふけ)

    <コメント>高松さんの所のおじいさんは耳が遠くて、田圃のしこ名をよく知っている風でしたがコミュニケーションできませんでした。おばあさんの方が田圃をしておられ、教えていただきました。江田さんの所の田圃は、息子さんがしておられるようでしたが、話をしていただいたおじいさんはもう田圃をしておられなくて、ご存じないということでした。江田さんは87才で大分県から来られたそうです。広沢の田圃も篠原さんの所と同じく、入口の方は貝野の方がしておられるそうです。広沢には、“こうらだい”、“かいのだけ”という田圃もあり、新しい田圃だそうです。20〜25年くらい前に開いた田だそうです。

 

・杉山 本村(ほんむら)

    向え(むかえ)

    山下(やました)

    川尻(こうじり)…川尻橋の付近

    小杉(こすぎ)…杉山の集落から北へ少し離れた一帯

    中岳(なかだけ)…山のふもと一帯

    川原(からはら)…中岳を川ぞいに下った所一帯

    大串(おおぐし)…“こうじり”より上流の一帯

    <コメント>杉山のしこ名は、田圃が多くて恐らく“ほんむら”、“むかえ”、“やました”以外は、地名と思われます。僕達も時間がなくて早く切り上げなくてはいけなかったので、十分に調べ切りませんでした。再調査の必要があると思います。しこ名調べは倉庫内でほうれん草の仕分けをしている人達にうかがいました。その人達の話では、田圃の名は大まかに地名で指して呼んでいるようでした。一枚一枚の田圃のしこ名は、持ち主もしくは田圃をしている人に聞かないとわかりませんでした。

 

<行動記録>

 9:30  六本松出発

       三瀬トンネル経由(他のグループの調査地(下田)を探して迷いました。)

 11:00 佐賀市到着(昼食)

 12:30 調査開始(下田を経由して溜山へ向う)

       この間大分迷う。古湯温泉から溜山へ向う道はわかりにくいと思います。

 14:00 溜山到着 調査

 15:00 広沢到着 調査

 16:10 杉山到着 調査

 17:10 杉山にて調査終了

 17:30 下田にて他グループと合流

 18:50 六本松到着

 

<感想>

・行く前はどんなことをするかはっきりわかっていませんでしたが、行ってから調査してみるととても興味深いものでした。自分が特に感じたことは農業を行っている人の高齢化で、田圃は持っていても、今は他の人に貸しているという人が多かったです。あと昔は田圃だったところを今は、畑や桜を植えているという話を聞いて少しさみしかったです。将来はのんびり今回行ったような田舎で暮らしたいと思いました。とてもいい経験になりました。このような機会をありがとうございました。(村山)

 

・調査を実際にしてみてわかったのですが、山の奥の集落を見つけるのに凄く時間がかかりました。調査事件は普段話す機会のない人達と田の話だけでなく、色々な話ができて楽しかったです。話していて、やはり山奥の集落は過疎が進んでいるなと思いました。

一日かけて一つの集落をまわるようにするともっとじっくり詳しく調べられると思いました。(越智)

 



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