三養基郡中原町栗崎地区】

歩き、み、ふれる歴史学レポート

1AG96270 渡辺麻希

1AG96271 渡辺 誠

 

調査日 1221() 天候 晴れ時々曇り

聞き取りをした方

 堤フデコ  大正10年生まれ

 野田キミコ 大正12年生まれ

 松尾義人  昭和2年生まれ

 

村の名前 中原町栗崎

しこ名

 カミゴウラ(上川原)

  シモゴウラ(下川原)

 マエダ(前田)

  ウエマツ (植松)

  クリサキ(栗崎)

 オニヅカ(鬼塚)

 モチナゲ(餅投)

 キノモト(木ノ本)

  マエダハラ(前田原)

 イシザキ(石崎)

  ノダ(野田)

  スギノモト(杉ノ本)

  マガリカネ(曲金)

 しこ名の由来については分からないということでした。このしこ名の大部分は松尾義人さんに教えて頂きました。この方はこの区域の区長さんでした。

 田の区切りについては「この辺りが植松……」というように、明確には区切りはないようです。

 

用水路など=シャカドウイゼキという井堰

 このことについて教えて頂きました。主に井堰から水をひいていたようです。この川にある政所橋(マンドコロバシ)については「何か意味があったのだろうけれども、俺には分からんねえ」というコメントを頂きました。

 

水争いはあったのか

 これは「全くなかった」とおっしゃっていました。田畑にひく水は全く不自由することがなく、普段の生活用水については各家で井戸を掘ってそれを使っていたということです。

 

「キヨシトメサン」「アラシトメサン」とは?

 しこ名を聞いてみると、松尾さんの口から上の2つの名前が出てきました。「これはお地蔵さんというか石像というか、とにかくお地蔵さんのようなものが建っていて、その年の豊作を願い、村をあげての祭りをしとったらしい」ということでした。

 実際には、この地図のキヨシトメサン、アラシトメサンの所には何もありませんでした。(別添地図のことカ:入力者)

 

古道について

 堤さんは「古道といっても昔から別に道は変わっとらんよ。どんどん道が工事されてきれいになっていきよるだけ」とおっしゃっていました。この地図の道とあまり違わないようです。

 

一日の行動記録

 830分、そして出発。運転手は渡辺麻希さんで有料道路を通っていけば早く着くはずだったのですが、彼女の母親から「有料道路を通っても通らんでも一緒よ」という言葉を聞いていたため、有料道路を通りませんでした。ところがこれが大失敗。同じくラスのもう一つのグループの車と久留米で合流するはずでしたが、あまりにもこちらが遅くなりそうだったので、ポケットベルを使って「先に行って」と連絡をして、先に行ってもらいました。この時1030分。途中、セブンイレブンで地図を見たり、駐在所で道を聞いたりして何とかたどり着きました。この時1230分。

 まず天満宮の近くに車を停め、近くにあっ家の庭で聞きとりをし、前田、下川原、上川原の名前を聞き出しました。「私はあまり知らんから区長さんのところに行ってみなさい。川久保線沿いにある床屋さんの道からちょっと行けばあるから」と言われたので、まずはそこまで行ってみました。しかし、そこに行ってみると、とてもとても車が入れるほどの大きさの道ではありませんでした。

残念な気持ちを胸に区長さん宅に行ってみました。玄関は開いていて窓も開いていましたが、誰も出てきませんでした。地面にはたくさんの白菜が干されていました。帰ってくるまで待っていては調査にならないので、ちょっと山を登るとおばあちゃんがいたのでしこ名を聞き、井戸の話も聞きました。

下山途中に洗い場で野菜を切っている(タマネギだったと思う)おばあちゃんがいたのでしこ名を聞いてみると、「そんなもん私はしらん。」とのことでした。それから下山してみると区長さんが帰ってきていました。

しこ名を聞くと出てくること出てくること。地図がほとんど埋まってしまいました。ここでも水のことについて聞いてみると、山で会ったおばあちゃん(堤さん)と同じようなことを言っていたので、改めてこれは正しいと考えました。

話の途中で奥さんが「みかんをもって帰んなさい。」と、みかんを4個もくれました。帰り際お名前を聞いて、それをメモにとった時、「お嬢ちゃんは書き順が芸術的だね」というお言葉。「義」という書き順が間違っていたのです。ニコニコしてそう言っていた。松尾さんはとても感じのいい方でした。

こうして調査が終わったのが1630分でした。別の二人組を拾って帰ろうと細く険しい道を通っているとき前から車。乗っていた40代くらいのおじさんは迷うことなく細く曲がった道をバックで100m程さがってくれました。ものすごいテクニックでした。

帰りは有料道路を通って帰り、箱崎に着いたのは1915分でした。自分たちが聞きとりをした方々は本当に感じのいい方でしたのでよかったです。非常にいい気持ちになった楽しい調査でした。

 

しこ名一覧

中原町栗崎 

田畑 

 カミゴウラ(上川原)

  シモゴウラ(下川原)

 マエダ(前田)

  ウエマツ (植松)

  クリサキ(栗崎)

 オニヅカ(鬼塚)

 モチナゲ(餅投)

 キノモト(木ノ本)

  マエダハラ(前田原)

 イシザキ(石崎)

  ノダ(野田)

  スギノモト(杉ノ本)

  マガリカネ(曲金)

 

 



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