歩き見聞く歴史学「上新ヶ江」              堀端康博、東宏行

 

上新ヶ江

鶴丸さんの話(鶴丸冨七郎さん 生年月日不明)

 昨年はたいそう水不足に苦労したようであった。久保田町はもともと水の豊富な所なので、鶴丸さんの記憶でも今回の水不足は人生の中でただの2回目だということだ。対策としては、朝7時から夜7時まで145台のポンプをフルに使い、ついに堀の水がなくなってしまったらしい。堀といえばこの久保田には縦の堀がきれいにならびそろっており、「八ッ池ぼい」といって有名だったらしい。堀は水田のみならず、堀でとれる「ふな」は、十月のおくんちの時に昆布でまいて食べるという。

しこ名についてだが、鶴丸さんはほとんど覚えていらっしゃらなかった。ただ、田ん中を案内してもらっている時、思い出したように「ばとうがんのち」と呼んでいるところがあったとおっしゃった。現在は何の跡もないが、当時は「馬頭がん」という神様がまつってあったという。あと、その時、「こしんがい」「へいしんがい」「だんとう」というのを思い出されたが、それが何の意味だったのか、どこを指していたのかは覚えていらっしゃらないようだった。



戻る