背振町古賀ノ尾(永江)

中川美沙

山下愛美

・お祭りのこと

おばちゃんA :部落部落でね、いろいろその行事のね、違うのよ・・・

学生 :こちらの内容はどうですか

おばちゃんA :(おばちゃん笑う) こちらはもう昔からのいわしのね・・・いわし一匹ねそれが決まり。それと赤飯ね。部落全部赤飯間違いなかね。

おばちゃんB :うん、田中んにきもね。

おじちゃんA :それは伝統だもんね。

おじちゃんB :観音さんにね。参らんばごて結婚されんごなっと。

    学生 :本当ですか?じゃあ観音さんに参って帰らんと。

(一同大爆笑)

おじちゃんB :神さんにみあったけんこんだけ結婚ばしとるわけ。

   学生 :ほーお・・・

おじちゃんA :それが伝統なわけ。だけんすてきなおばちゃんばっかりじゃろが。

       (おばちゃん爆笑)

おばちゃんA :よか縁があるよ。観音さんにまいってくると。

    学生 :これは収穫祭ですか?

おじちゃんA :収穫祭じゃなか。

    学生 :え!収穫祭じゃないんですか。

おじちゃんA :収穫祭っちゃ収穫祭。

    学生 :名目は収穫祭なんですか。

おじちゃんA :う〜そういうわけじゃなか。あのね〜昔からさい。あの〜部落で全部、村の一円お祭りって決まっているわけ。収穫祭っちゃ収穫祭。そしてね〜神さんがずうっとこの部落ばずうっと昔からねい。守ってもろっとるんじゃ。だけんその感謝の意味でお祭りをしよるわけ。

    学生 :ほー。

おじちゃんA :だけんぎゃんすてきな女性ば嫁さんにいただいたとね。

おばちゃんA :田中はほら背振神社ばね、あいぎゃなね。ずーっと部落でね、衣福も背振じゃろ。結局ほら、なんちゅーか、結婚ばさする行事たい、この村の。昔からのな。子孫繁栄するための行事たい、これは。

 

捕捉:12月最初の日曜日にあり、観音様のお祭り。おじさんの話によると1000年前から行われているらしい。一年間の締めくくり一年に一回だけ行われている。今は、お祭りの時にいわしとイカのかけあいと赤飯を食べる。昔は冷凍鯨1kg2000円を食べているときもあった。

 

・昔のこと

おじちゃんB :おいちゃん昔のことを話して聞かせようか?昔はねここ佐賀藩の支配地。

おばちゃんB :ここん人たちはね、全部佐賀藩の士族よ。士族。

おじちゃんB :そしてねーほら佐賀の乱てしっとぉ?

    学生 :佐賀の乱?

おじちゃんA :そんなん知らんよね?

おじちゃんB :おどんが一番元気盛り、サムライ時分たい。ハハハ。

おじちゃんA :うそうそ。

おじちゃんB :そしてね、あっちからね、ここん殿さんは佐賀藩っちゅうのは後から支配されとるわけ。もとは大友宗麟、そしてずうっと佐賀の乱で追われてすうっと西さ逃げていったわけ。そしてその落ちこぼれがこっだけ残っとったい。

(一同笑う)

おばちゃんB :うちへんな昔はきゃーちゃったもんね。表札にね。佐賀県士族名前ばね。

    学生 :最初に佐賀県士族っていうのが入って、そのまま名前ですか?

おばちゃんB :昔はその士族とかね、平民とかあったわけよ。

おじちゃんA :士農工商

    学生 :じゃあ、偉い方々というわけなんですね。

おじちゃん達 :そうそう。

おじちゃんA :昔の系図、役場からあればもらおうが、ずっと書いちゃんもんね。佐賀県士族の代々と平民なんとかさんの・・・家にきゃーたのがある。

おばちゃんA :士族のとこはね、系図のあるもんね。うちの里も士族じゃけん、その系図のあるよずっとかいたとの。

おばちゃんB :うちはだいたい火事のでけとっけんさだいたいあんまのーなっとんもんね。ばってん、うちは刀んごたっとはあったよ。

おばちゃんA :どこでもあっさい。ここんにきは激戦地じゃったげなやんね。

おばちゃんB :だけんそこのね、公民館のところがさい、昔はこう(いっぱいの動作)骨の出てきたろがあんた。

おじちゃんB :まーだいっとるばい。

おばちゃんA :激戦地じゃったってここは。

おじちゃんB :無縁仏になっとる。

おばちゃんA :(観音さんのところをさし)あそこがね、もとは墓地やったもん。

    学生 :この辺の住宅は増えられたりはしていないんですか?

おばちゃんA :ここは、へらしよってばってんね、過疎、かそーって、過疎地になっとって、今の時代に過疎、人間もね、若い人はおらんしね。

おじちゃんB :50年前は20軒ばっかりあったよで今は、もう11軒。

おばちゃんA :そいで若い人はおらん、ハハハ。

    学生 :皆さん息子さんたちは、佐賀市内にいらっしゃるんですか?

おばちゃんA :みんな高速のあたりにね、でとぉ。そがこっちはね、もう雪が、え〜積雪がおおかでしょ、そして道路は凍結するし。今ほら百姓だけでは食べていけんけん。だけんあの〜仕事ばほら、あの〜働きよっところ、こっちにはなかろ、役所と農協ぐらいしか、そやけん、あとは若い人はできんやね。通う分には冬場が通われんということで越すもんね。

おじちゃん A :ほとんどの家がね子供さが全部出て行ってしもおてさ、過疎になってしまいよう。

    学生 :なるほどですね。

おばちゃんB :前はみんな多かったけんね。何人ぐらいおったけな・・・40人ぐらいおりゃせんやった。三十何人くらいは・・・今はもう全然・・・

おじちゃんB :一軒の家で78人はおったよ。

おばちゃんA :こっちにいたらねぇ、原始時代の暮らしばしようよ、あの〜自給自足。

    学生 :本当ですか?

おばちゃんA :野菜ば作ってね〜そいでね。スーパーもないし。

    学生 :みなさん、買い物っていうのはどのようにされているんですか?

おばちゃんA :買い物は一週間にいっぺんだべさ・・・一週間や10日行かんときは行かんよ。冷蔵庫にたまになわしとってね、それをば食べおくらなこと。

    学生 :ふーん。

おじちゃんB :そういうところは行商もくる。行商もこらす。

おばちゃんA :だけん行商から買う。

    学生 :あ〜売りにこられるんですね。

おばちゃんA :そうそうそう。

おばちゃんB :そしたら今は車が多いかけんね。買いに下ったりすんださ。

おばちゃんA :じゃけん福岡の町は幸せよ。

    学生 :そうですか。みなさんが子供のときに食べられていたものとか・・・今とかなり違うんじゃないでしょうか?

おじちゃんB :昔はね冷凍鯨ばいっぱい食いよった。

おばちゃんA :昔は塩鯨くさやね。昔はこっちにくれば塩鯨、今は高かろうね。昔は貧乏人ば塩鯨ば食べった。

    学生 :本当ですか?

おばちゃんA :昔と今はまる反対やあんた。鯨、塩鯨今たこうて買いきらん、昔はこったら塩鯨どっさ〜ハハハ

    学生 :へ〜

おばちゃんB :そばってんね。こんなお祭りの時には、冷凍鯨ってちゅうってね。2000円がた買うと太かとのきよった。そん、楽しんで食べよった。

おばちゃんA :1kgくらいふとかと。

    学生 :2000円で1kgくらい。

おばちゃんB :あん時分な安してね。うんと食べよったもん。おいしかったよ〜。冷凍鯨ば刺身やったもん。

    学生 :炭とか自分で作られていましたか?

おじちゃんB :木炭焼いて生計立てとった。

    学生 :あ〜

おばちゃんA :ばってん今はね。もう炭焼きの人おらん。もう雑木がないもんな。炭焼きの木がないもん。

おじちゃんC :昔は炭焼きが大事。一番初めの仕事やった。

おじちゃんB :昔はね、灯油とか電気とかあがんとや石炭とかあがんとばかりやったけんさ木炭ばかりやったよ。

    学生 :あ、本当ですか。

おじちゃんC :そやけん頭のよかこのこぉーできたけん都会さでてしまった。

(一同爆笑)

おばちゃんB :もう今は雑木がなくなってしまとたって。

    学生 :ぞうき?

おばちゃんA :炭ば焼くと。

    学生 :炭を焼く木がなくなってしまったということですか。

おばちゃんA :全部して、炭焼くはなくなってしまったって。

おばちゃんB :そして杉ば、植えとったい。

おばちゃんA :背おい山は、紅葉、紅葉はすばらしかったよ。あのいっぱい色づいて、そいばってんさ今はもうだいいで炭焼いてしまってさぁ何もなくなった。

おばちゃんB :今は杉があるだけたいな。

おばちゃんA :今、杉じゃ、造林しとる。

    学生 :造林?

おばちゃんA :杉とヒノキね。もとは自然やったと。

おじちゃんB :炭焼く木は、自然林だったもんね。

    学生 :木の種類とかあるんですか?

おばちゃんA :そりゃーもう種類はもういろいろくさ、雑木!雑木!

おばちゃんC :樫の木やら楢の木やら。

おばちゃんA :自然に立っとったのを炭焼いてしもうたわけ。えへへへ

    学生 :収入っていうのはよかったんですかね。炭っておいくらぐらいで・・・

おじちゃんA :もう50年ごと前のことで忘れた。

おじちゃんC :終戦後でね200円くらい。

    学生 :200円くらい。

おじちゃんC :あれは25けんがいくらかい・・・え〜15kgかい。

    学生 :15kg!そんなにいっぱいい。

おばちゃんA :あたいたちはね、その炭のだつ、だつってね。かやでさずっとこのあの、炭俵や編みよった。

    学生 :編んでたんですか!

おばちゃんA :かやでね。かやで編んでね。そしてその中に・・・ちゃんと決まっとったもんね、長さと。

おじちゃんB :長さと、重さと。

    学生 :皆さん、兄弟は多かったんですか?

おじちゃんA :昔はね56人は普通じゃった。

    学生 :普通が56人。

おじちゃんC :わたしゃ8人兄弟だった。

    学生 :おお〜ほっほっほ

おばちゃんB :おもに6人ぐらいいたね。

おばちゃんA :56人は普通やったよ。昔はね産めよ増やせよでね。今ごと三児制限なんってなかったこと、へへへ。

おじちゃんB :そんな制限されんかったこと。

おじちゃんA :そいでね家族が78人だった、普通だった。そやけん大家族やったと。

おばちゃんC :大家族やった。

おばちゃんA :今はねじーとばーと・・・

おじちゃんB :もうお祭りっちゅったらこの部屋であばかること人のよりそって。

 

    学生 :家畜はいっぱい飼われていましたか?牛さんとか豚さんとか。

おじちゃんD :豚はおらんこと牛は農耕用に使いよった。

    学生 :じゃあ一家に一頭か二頭。馬とかには乗られていましたか?

おじちゃんA :馬はおらん。馬もいのししもおらん。のどかな農村じゃった。

おじちゃんB :うさぎとかたぬきとかはおったんじゃけん。

    学生 :うさぎとかたぬきとか食べられました?

おじちゃんB :捕まえて食べよった。

    学生 :おいしかったですか?

おじちゃんB :・・・

 

    学生 :マッチは昔貴重でしたか?

おじちゃんB :マッチ?終戦時分はね、マッチは不足でね。終戦後昭和19年くらいはマッチは配給やった。

    学生 :配給だったんですか・・・

おじちゃんB :マッチは少なかった。もうね〜なかった。

おじちゃんC :硫黄でさぁ、あいで火ばつけよった。

おばちゃんA :火打石はありよった。金とね、こうすってね。そしてね火ば起こしよった。

    学生 :火打石はやっぱり火がつくんですかね。

おばちゃんA :うん。チカッとすっちゃんね火の、タバコの火ばねこうキセルばくわえてさ。こうチッチッと。

おじちゃんB :あんさ・・・火打石ってしっと?白と石とあたたにかねばチッとやってね。火の粉ぱっとつくわけ。

    学生 :ふ〜ん。

おじちゃんB :そやけね、煙草屋さんは、麻・・・麻ってしっと?

    学生 :麻・・・

おじちゃんB :麻で、灰ばつくってね、ちゃんとたばこにいれとくくさ。

おじちゃんC :灰ばね、一番付きやすかったと。

おじちゃんB :そいで、ぱっとやってタバコばすいよったとの。

おばちゃんA :でその昔はね、火打石はこうなっとったもんね。鉄板でつくっとったのをこう・・・ね。こうなったごと。扇子ばはんたいになったごた感じの、ちょっとべちゃっとね。そいでね、火打石でコッコってしてね。火ばだしよったわけ。

おじちゃんC :大東亜戦争の末期、マッチっちゅったら配給やった。たきぎばするときは、大事にしまっておいて使ったわけ。資材難とか、食料難とかそんときの話。

おじちゃんB :米は政府からしぼりあげよったから。そがな時代。にわとりをどこで飼ったったよ。お客さんの時はにわとりを殺して、食べさせたもの。

おばちゃんA :昔はどうでんこうでんさお客さんに・・・にわとりを放し飼いにしとっさねにわとりの入れてしよった。家ごとににわとりをこうとったわけ。床んしたは鶏小屋。

おばちゃんC :にわとり小屋あったねぇ。

おじちゃんB :それを料理に・・・一番のご馳走だったねぇ。

おばちゃんA :お吸い物とにわとりのからあげとねなんいで、にわとりでできよった。

    学生 :ふ〜ん

おばちゃんB :冬はほらうさぎとってきなよった。ゆき中はね。うさぎ、のうさぎ・・・うまかった。

おばちゃんC :猟がはやかあった。

    学生 :それは銃で・・・わなで・・・?

おじちゃんB :銃!

おばちゃんA :そいで、うさぎ汁とかね。ここのお父さんとかようばしよった。

    学生 :うさぎの味ってどんなんですか?

おばちゃんA :うさぎの味や!

    学生 :うさぎの味ですか。

おばちゃんC :うさぎのお汁ば食べてお産がやすか、やすかってね。食べさせんといいよった。お産がかるかってみんないいよったもんね。

おばちゃんC :のうさぎがおいしかよったもんね、のうさぎ。雪なかば飛んできよった。それがおいしかった。

    学生 :へ〜それはすごいですね。結構速いわけですよね?

おばちゃんA :うさぎはさぁちょっととまってひょっと模様見ようが、あのう・・・景色眺め寄ろうが、そんときバンとアハハハ・・・

    学生 :なるほど〜

おばちゃんC :あの仕草が可愛かたいね。

 

    学生 :この辺の独特の植物とかありますか?

おばちゃんC :レタス、大根、ブロッコリーってできとるよ。昔は田植えに行く時はのいちごっていってね。木になっとったの、きなかの、オレンジ色っとのなりよったとのそれの美味しいことたらね。おいしかったね。もう田植えに行く時はそれ楽しみに山に行きよったよな感じ。おいしかもん。

    学生 :今はもうないんですか?

おばちゃんC :今はもう猪がでるけんね。

    学生 :猪が食べちゃうんですか?

おばちゃんA :そんなないよ、あるある。

おばちゃんC :もうなかもんね。

おばちゃんA :あるよ〜うしだにもあっちゃんきいちご。ある。あるさぁ。たま〜にくさ。そがんとかたべんのがおらんたい。

おばちゃんC :昔はなんでんなかったけん、そがんのがおいしかったったい。

    学生 :はぁ〜

おばちゃんC :それにアケビっちゅうのがなっとった。秋になるとね、あけび。

    学生 :あけび・・・

おばちゃんC :それがまたなんともいえんやった。

    学生 :なんか外ぐるっと回らせてもらった時になんかこういう長細〜いこう蜜柑を長くしたような・・・

おばちゃんC :ごうりのこっちゃろ。ごうりっちゃろごうり。

    学生 :ごうりっていうんですか?

おばちゃんA :ごいや!ごい!

おばちゃんC :昔っからごいっちゅったばってんさぁ。

    学生 :果物?

おじちゃんC :あれは食われんばい。

おばちゃんA :あの赤とのば食われんやぃ、そやかて、黄なかとは食われるばい。

    学生 :赤いのが食べれないんですか?

おばちゃんA :オレンジ色のちょっとほら色のこゆいのが・・・あれちょっと赤が赤ちゅったほうがよかろうね、あれは食べられん。黄色かのとは食べよったがね。ごいっちゅってね。

おじちゃんC :ね。

おじちゃんD :あけびよいかごいが甘かね。

おばちゃんC :あけびゆうたら上品な味よ。

    学生 :本当ですか?

おばちゃんC :しーろぃ実がついて種に、なんともいえん味。

おじちゃんC :あそこにしかなかもんね。

    学生 :面白いですよね。あれ初めて見たなって思って。

おばちゃんA :あ〜そのあの壁なっとったね。そんなこと。なっとう。なっとう。

おばちゃんB :ごいはうまか。

おばちゃんC :あれ切ってもってかんね。お土産に。へっへっへ。切って持ってったってよか。

おじちゃんB :家の垣根によかよ。

おばちゃんA :それにあのほら山芋の実のなっとうそげんとてなんでん食べよったんでね。昔は。

おばちゃんC :結構食べんものあったよ。栗、ささ栗っちゅってね。ちぃさかみがなったったい。そいがうまかったたい。甘味のあってね。

おじちゃんB :あん、餓死はせんって。

おばちゃんC :そしてあの山芋の実はなんちゅうかな?

おばちゃんA :たご!

おばちゃんC :たご!

    学生 :たご?

おばちゃんC :うん。あれが、またおいしかった。

おばちゃんA :あれは、山芋のね。山芋の根のあの長かとが生えるでしょうが、あいがね。うえにね、かずわるさ、実のなるさ、こっくらばかり実の・・・コロコロコロってこう曲がっとるの。そいがねあの、炒って食べてもよし、あの〜ご飯もおいしい。

おばちゃんC :そう・・・

おじちゃんC :猪も食うてしまうよ。

おばちゃんA :ほや〜っとしてからね。ねばりがでてご飯もおいしかわけ、豆ご飯のごた感じでくさ。山芋のこ・・・

    学生 :山芋のこ・・・

おじちゃんB :山芋の種。

    学生 :は〜

おばちゃんA :山芋のね。山芋はね。町にでとっとあがっとんとじゃなかよ。ねばりが!

おばちゃんC :山芋がね。また特別美味しかよったね。

おばちゃんA :山芋は特別おいしか。

おばちゃんC :あげん市販にでとんのよか美味しかね。ねばりが強くてね。

    学生 :ねばりが・・・

おばちゃんC :あ〜んん。引きが強かたい。市販のはこうすっとどろっと落ちったい。あれがないったい。ずってこう・・・引っ張ったってつっきれん。切れないったい。おいしかったそいけん。

 

    学生 :路引きってなんですか?

おばちゃんA :どうびきじゃなか?

おばちゃんC :どうびきはこの人たち職業でしよった。

おばちゃんA :そう専門家やった。

おじちゃんA :材木ば引かせてトラックつくとこまで引かせて・・・それをどうびきっちゅうと。

    学生 :牛でした?

おじちゃんA :そうそうそう牛に引かせてね。車の入るところまで・・・

    学生 :その場所とか覚えられていませんか?

おじちゃんA :うん。よそまで、私たちはきよみずまでいっきた。おぎしにきよみずってあるよってん。

    学生 :この地図で地名などあっていないとこはありますか?

おじちゃんA :ハナフカリやろ・・・ハナフカリったら背振神社の近く。

おばちゃんA :登山道の右っかわがハナフカリやろ。ね。ね。別荘になっとっとこ。

おじちゃんC :左も。

おじちゃんA :そじゃけんね。背振神社のうえはもうハナフカリ。

    学生 :は〜

 

    学生 :肥料とかは?

おじちゃんA :無農薬!こっちはね農薬なんて使わん。

    学生 :昔も今も農薬は使われていないんですね。

おじちゃんC :そうそう。

おばちゃんB :今年はこめっとかなんかも消毒せんかった。

おじちゃんC :自分ば食べるぶんやけん。

おじちゃんA :肥料は化成肥料を農協から買うとさ。

    学生 :昔、化成肥料がなかったときはどうされていましたか?

おじちゃんA :牛ば、家畜ばかっとったけん、その牛の糞。牛のたい肥とかね。

    学生 :牛は絶対いるんですね。畑を耕したりとかは?

おじちゃんA :人力。

    学生 :あ〜こう手で・・・

おじちゃんC :なんでんかんでん人間の力。

おじちゃんA :大正三年まではアンテナ・・・それから電気がつくようになった。

 

おじちゃんB :お酒もどぶろく飲んだや言うて。

おじちゃんA :ちがうよ!

おじちゃんA :昔はね、どぶろくでしよったとよ。(祭りを)

おばちゃんA :昔はねこの酒はね、あの〜ようと作りよったもんね。

    学生 :本当ですか!

おじちゃんB :今は麦酒(ドライをもって)

おじちゃんA :どぶろくは処罰さるっけんつくろんの。

    学生 :処罰されるんですか?

おばちゃんA :だいたい最近はほとんど作らんばってん、昔はどんどん作りよったったい酒ば。そいばってんね。酒税法!税務署からね、やみ酒でやられたったい。それでやめた。昔は作りよった。

おじちゃんB :やみ酒は没収される。税務署が統一せんばって。酒ば個人で作って、税金がどっからくるだかい。こうて飲んでくるっけん税金が入ったい。

おじちゃんA :酒はほとんど税金じゃけんね。買ってくる。

おじちゃんB :青春時代はあんたどぶばっかりやった。酒は配給やったよ。どぶは、配給だけじゃ足らんけん作りよった。好きな人は足らんけん。

    学生 :こうじとかはどうしてたんですか?

おじちゃんB :こうじは売りにきよった。米はうちにつくりおきがあろうが・・・こうじだけ買えばよかった。今も甘酒はあろうが・・・

    学生 :甘酒はいいんですか?

おじちゃんB :甘酒は罰せられんけん。

    学生 :作られてますか?

おじちゃんB :うん。こうじあっけん。

 

123日はお祭りでした。古賀ノ尾の方々は外で(町で)お食事をされていらっし

ゃいませんでした。そのため、古賀ノ尾の永江のみの調査となりました。永江の

人々はあたたかく、とても快く私たちを迎え入れてくださいました。永江の皆様

ありがとうございました。



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