現地調査 〜神埼町〜
神埼町では集落ごとにしこ名が存在せず、1の角、2の角といったような、地域別に分けられている。
〜村人の話〜 〔林とは〕 地図には載っていなかったが、神之隈、狸原、白石と同じような小字である。 神之隈では4つのしこ名を持つ田で米を作っているが、標高が高く、土地が肥えてない上に日当たりも悪いので、あまり米がとれない。戦前は3〜4俵しかとれなかったが現在では機械を使って7〜8俵はとれるそうだが、良いときと悪いときでは1〜2俵の差がある。 収穫が少ないために裏作はできず、現在では山の斜面を利用してみかんを栽培している。 2年前に起こった干ばつの際には、集落を流れている川から水を汲み上げて農業用水をまかなったそうだ。 白石はウラタニと呼ばれる田で米を作っていたが、干ばつでクウズウダニの水が枯れてしまったので、狸原と白石の間を流れる西の川からパイプで水をひいた。 チャノキハラと呼ばれていた狸原ではトトギのしこ名をもつ田の辺りが水がしらとなっているが、昔はここが渇水しやすく、木を伐採してからは水を蓄えておくことができずさらに渇水が起こりやすくなってしまった。そのため20年をかけて増林した結果、現在では渇水が起こる事も少なくなった。 ※ 地図には載っていなかったが、狸原と神之隈の間に林という集落があり、ハヤシマエのしこ名をもつ田を有している。ハヤシマエは標高が低く、日当たりも良いところに位置しているので、この地域で最も米がとれる田である。昔このハヤシマエで米を作っていた人達の間では、水争いがあったそうだ。 学校道については的(ゆくわ)を通って山のふもとの飯町にあった右原(みぎばる)小学校(現.仁比山小)まで通学していたらしい。 村のこれから 時間の流れがゆったりしており、緩やかな町でした。 みかんの収穫で忙しいにもかかわらず、福岡から来た私たちを4人の質問にひとつひとつ丁寧に答えていただきました。 お話しをしている中で、減反のため稲作面積が減少しているということを知りました。かわりに、みかんの栽培が主流になってきているそうです。 若者も減ってきており、未来は相当厳しいだろうとおっしゃっていました。 協力して下さった方々 ・福成政則さん(70才) 三谷区長 ・宮地五男さん(48才) ・平野 守さん(60才ぐらい) ・その他のみなさん 一日の記録 六本松〜神之隈〜白石〜林〜狸原〜六本松 班長 稲永耕司 1AG96018■ 上野静香 1AG96021■ 江頭誠二 1AG96029■ 大崎久仁子 1AG96040■ (場所) 谷の名前(しこ名) ハジバダケ コエンドウの北 オオタニ(大谷) 狸原の裏 フカゾコ(深底) 林の裏 ヒノマメトウゲ 大高山山頂とアラタニの中間くらい ミツイシダニ(三石谷) 神埼町と東背振村の堺 三石の名の由来・・・神埼町、東脊振村、背振村が交わる所に石があったため、三石と名がついた。 |