【神埼郡神埼町的右原、小渕】(1)

935122  野津原 昭二

まず的(ゆくわ)の区長さんを訪ねたが近所の方が丁度亡くなったためお通夜の準備のためあうことができなかった。

 次に右原の区長さんが公民館におられるときいたので公民館を訪ねた。

 公民館には区長のむたじゅうしろうさんの他5、6人の方が会合をしており合い間に話をきくことができた。しかし、殆どの方が大正生まれにもかかわらず、自分たちの子供のころからしこ名は滅多につかっていないといわれた。つかっていたしこ名は4個わかった。

  ・ごただ…圃場整備前には珍しく五反もある広いたんなかだったから

  ・ぎおんさんのうら…今小学校があるところは昔お宮があったため

            学校ができてからはがっこうんうらとよばれたらしい

由来はわからない

 
  ・くちなしや

  ・ちいじ

近所にはもうくわしい方はいないらしい。

それから小渕の区長さんを訪ねた。小渕の区長さんは、農業をやっていないそうなので近くの松本武さん(85)を紹介された。しかし、松本さんの話でもしこ名はつかわないし、持参した地図の地名が最小単位で田んぼの一個一個についての呼び名はないといわれた。

田んぼの呼び名ではないが地図に載っていない地名として

こうふく(幸福)、くさば(草場)、いしどう(石動)、しんぐるま(新車)、しいのきやま

などをきくことができた。

 それからまた山の方へ上っていった。山の方多いが、田んぼをやっている人はほとんどいなくて土地だけをかして農作業はまかせていると言われた。

 生産組合長の亀川さん宅をたずねたがしこ名の帳簿は持っておられなかった。

 圃場整備以前のことは横尾さんという方がくわしいといわれてたずねてみたが法事があっていたため話をきくことはできなかった。

 

水利について

 仁比山一帯の水は、すべて城原川を利用している。城原川は水源が奥深いため今年の渇水も関係なく平年どおりだったそうだ。「わざわざ筑後川から金を払って水をとりよせることはいらん」といっておられた。

 城原川は途中で筑後川と合流している。仁比山では、水車を城原川に設置してそうめんをつくっていた。(神埼そうめん)

 今も8こほどの水車があるがすべて観光用で実際にそうめんは水車を利用してはつくっていない。井堰にはとくに名前はない。

 

・仁比山ではけっこうきいてまわったが、思ったよりもしこ名をあつめることはできなかった。



戻る