歴史と異文化理解A/現地調査レポート/佐賀市本庄町/西川内

<調査者>

宮崎真吾

宗和宏

 

聞き取りの方法

 約束の日時に訪問し、まず、百崎篤美さんにこちらが用意した現在の周辺の地図と、渡されていた昔の地図で大体の位置を思い出していただき、聞き取りをしました。またその際、昔の地図にない新道は前もってわれわれが理解しておき、その道も申し上げて位置関係を理解していただきました。その後56個程度のしこ名をお訪ねし、他にないかと申したところ、同郷の友人を呼んでいただき、お2人で互いに補完し合いながら思い出していただきました。

 

聞き取りの際の内容に関して

 聞き取りの成果は後記の通りですが、その他にも当時その地域の方々がどのあたりで遊んだか、またその付近のお聞きしたしこ名の由来、その地域でのいわれなどもお聞きすることができました。それについては以下の通りです。

  

遊んだ場所

  平時・・・シマンツボ及びヤシキダ

  夏場・・・ゴロサンボイ

 

しこ名のゆらいについて

  キャーダ・・・当時の殿様の行っていた猟がその周辺で行われていたから

  ゴロサンボイ・・・その付近の大地主が五郎という名だった。

  ビャーリンバシ・・・付近に梅林寺があるから。

  サンカクバシ・・・川の合流地点につくられた橋だから。

 

 水まわりについて

  詳しくは話していただけませんでしたが、その地域は井戸を掘ってもかなり深くないと塩水しか出ないそうで、水路の確保が大変だそうです。

 

 成果

  以下に記した22個成果です。なお、手持ちの地図で現在の地名がわかる箇所は、それも記しておきました。

 

 

       しこ名           現在の位置

      ゃーだ         佐賀大学敷地南半分

      つきばし          佐賀大学敷地内

       はまち       本庄小学校及び灰塚体育館付近

     さんかくばし           三角橋

     きんたんぼい    

      くろきぼい

      なまこだ

     かんじんばし           官人橋

      やしきだ

      しまんつぼ

     しまつぼばし           島坪橋

      しょうだい

     すぎのきばし

     びゃーりんばし          梅林橋

     ねこごいばし

      かめそこ

      たけした

     ごろんぼり

    たいじんさんばし

     いわさきばし           岩崎橋

      いわさき       テニスコート及び佐大弓道場付近

     くらはし

 

 

 調査をして

  こちらの意図をくみとっていただき、非常にスムーズに聞き取りが出来たのでとても助かりました。また友人を呼んでいただくなど、とても感謝しています。百崎さんが言っている事で気づきましたが、一人に聞くよりも二人で互いに思い出しながらの方がいいようです。今回の調査でしこ名というのを初めて知りました。こういうなくなりそうなもの、特に地域に根付いた文化のようになものは大切であり、またそういうものを後世にのこしていくのも大切だと痛感させられました。今回の我々の「しこ名」の調査が、記録保存のお役に立てればと思います。

 



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