【小城郡三日月町長神田、初田】 月曜2限異文化理解現地調査レポート 30班:LT-11鈴木浩介 LT-12似多野智洋 LT-12丹羽孝一 以上3名
聞き取りした相手: 森茂次郎さん(52歳)、 秀島 勇さん(67歳)、 村岡武美さん(70歳)、 志波政明さん(70歳) ※村岡さん、志波さん両人は、実際に圃場整備を行った。
《しこ名以外の聞取成果》 初田は全体的に湿田であった。 水の引き方:北山ダムから水をひく→頃手工(ころてぐ)という分水場にて分化→大和町−三日月町−牛津町−芦刈町というように水をひいている。 収穫量の差:初田はそれ程、田ごとに良・不良は見受けられないが、地籍図中の■は特に収穫が多かった。 初田は、前述のように平均していたから、その収穫量は1反当り9俵である。 ※良田と普通の田では1反当り60s程の差があった。
(参考) 圃場整備にて、田を全体的に平らにしたため、土地が高い所にあった田は表土がけずられて質が悪化。また一方、土地が低い所にあった田は良質の表土にて土地が良くなったわけだから、良田へと変化したという現象が字佐織全体や六反田に見られた。(初田ではほとんどなかった。※村岡・志波両人からの話) 初田で唯一、上述の現象が見られた所は、初田の最東にある「かいすずめ」〔上雀:しこ名地図より、入力者注〕であった。高低差を圃場整備で改めた所である。
農業を行う上での班(これがおそらく生産組合の班であろう)は4班に分かれており、地籍図中の北南にはしる緑実線A-A’、及び東西にはしる緑実線B-B’がその境界であり、北西から第1班、南西の第2班、北東の第3班、南東の第4班となっている。それ以外に、団地(第5班)から初田は構成される。(第1〜4班+第5班で自治会が運営されると考えられる)
《地籍図を見る上での注意》 一つ一つの田んぼは、各人(各家庭)によって異なっており、それらすべてを一つにまとめるという点から、赤・青の2色で色分けした。赤は、最も一般的(あくまでも調査した4名という限られた調査対象であるが)に通用しているところのしこ名。青は、その土地を所有している人が呼ぶしこ名であり、かつ、一般的に通用しているものとは異なっているしこ名。 ■〔蛍光緑色の横長四角〕は特に良田。 (地図は佐賀県立図書館所蔵)
《地形図を見る上での注意》 班の範囲及び初田の範囲は地籍図上でも記入し、それと同様である。 東側・南側は明確に道は定めうるが、北側は「三日月中」〔三日月中学校カ:入力者注〕の南端(現在のプールがある所)が含まれる点が、道路を基準に明確に定めることができない。加えて、西側であるが、ここは明確に定めうることができないという。というのも、田んぼの中にその境界があるからである。そこで、調査した4人のうち2人が示した境界を点線で示しておく。
《最後に》 この調査にて、我々3人はかなりの成果を上げることができたと確信している。それは、この調査を行う上で多大なる協力をしてくれた、特に上記の4人の方には感謝するとともに、日常であまり認識することのない、人々の日常生活で使用するものの大切さ―ここではしこ名―ということへの興味を持てるようになったことは、我々自身にとって前進であったといえよう。 |