【小城郡三日月町本告、馬見地区】

現地調査レポート

46 943187 横山謙一郎

943192 吉永広樹

調査先 三日月町本告、馬見

聞き取り相手     小林正さん(75) 本告区長

江口定良さん(57) 本告生産組合長

江口ヨシコさん(53)

 

 現在の本告という所は以前は「かみだ」「平井」「馬見ヶ里」と分かれていた3つの地域が合併してできたということである。そのためか、本告と馬見ヶ里の明確な区分は不可能であり、調査は難航した。

 30年〜50年頃までは宅地は4050ほどであったが、現在では200ほどに増加しており、また、それに伴って農家も減少し、小林さんと江口さんの外には数軒ほどであった。更にこの調査の意図を理解していただけたのは、小林さんと江口さんだけであった。しかし肝心のしこ名の方は、「かみだ」「しもだ」などと漠然としたものしか聞き出すことができず、いささか残念であった。

 「しょうず」と「しもだ」は出水所ということで水には不自由していなかったということだった。対して干ばつに見舞われたということである。「しもだ」は湿田のため、麦もとれないということであった。

「めんだ」は田と田との間のわずかな隙間を利用した田のことで、圃場整備によってその他の田と合併ということになったということである。

現在の203号線となっている唐津街道の両脇には、以前は立派な松並木が立っていたらしい。

また、「はたけだわし」というのは一応しこ名というの、戦前桑畑だった所を戦後宅地にしたのだそうだ。

以上が調査結果だが、方言は予想以上に理解できずやや手間どったが、いろいろと親切に教えてくれた。ただ数少ない農家のうち、一番昔のことに通じているような小林さん、江口さんでも分からない点も多く、物知りの多くの方が既に亡くなっていたことは残念であり、もっと早くにこの調査が行われていれば得る所は更に大きかったのではないだろうか。

 

46 943187 横山謙一郎

調査した村 字本告、字馬見

調査した相手の方 江口サダシさん(57)、江口ヨシコさん(53)

同伴者 943192 吉永広樹

 我々が訪れた所は農民が少ない所だった。そして、なかなか「しこ名」を知っている人がなかったが、最後に江口さん宅を教えて頂き、やっと「しこ名」に巡り会えた。

     昔、畑であった所を水田に変えた土地を「ハタケダワシ」。

     出水のある所を「ショーズ」。

     その家より北の方を「カミダ」、南の方を「シモダ」。

     近くを通っている水路が「タッチューガワ」。

後は江口さんがぽつりぽつりと思い出して下さったが、位置は漠然としていた。

 あまり成果はなかったが、調査を通じて農家の方々には独自の呼び方があったことを認識した。

 

以上

 



戻る