服部英雄のホームページ

講義教材

2009前期 歩き、み、きく歴史学
授業配付時のマニュアル訂正版

訂正箇所

現地調査のためのマニュアル090609
目的(全学教育の観点から)〜農村・漁村・山村をたずねて〜

  1. 現地はこの間(昭和40年代以降)、おおきな変化を経験している。農村であれば圃場整備(機械化に対応した耕地の大規模化)や、過疎化、山村であればエネルギー革命(材木・木炭が資産価値を失った)、あるいはダム建設・過疎、漁村であれば木造帆船から動力船へ、など相当な変化があった。こうした変化に際し、失われたものを記録し、記憶する。すなわち以前の状況を記録に残す作業を行う。その作業を通じて半世紀前に青春を過ごしたひとたちの生活と、現代の生活の差を考える。直接にたずね質問する中で、先輩たちの過去の暮らしを考え、またそれ以前の人々たちの暮らし(歴史)を考え、さらに自分たちの暮らし(現在)を考える。ガスのなかった時代、電気のなかった時代、マッチが高価であまり使えなかった時代、牛や馬がトラクターであり、車だった時代を考える。青春を戦争のなかに過ごし、肉親、愛する人をを奪われた気持ち、それぞれを追体験するなかで、現在を考える。
  2. 学問には机上の学問と、実際の現地での学問がある。調査では現地が研究室・教室となる。「書を棄てて野に出でよ」。
  3. 調査は机上の勉強とはまったくちがう。実際に聞き取りをさせていただく方と、事前に連絡を取り、調査がスムースにいくように段取りをする。どのような人が適任か、みしらぬ初対面の人にどうやってお願いしたらいいのか。もしも事前の折衝でうまくいかなかった場合にどう対応するのか。調査の終了後、相手の方たちも君たちとよい時間が過ごせたと思ってくださるように。社会に出たら経験しなければならないことの縮図であり、すべてが勉強(連絡事項の伝達、必要品の配布など連続作業になるので、授業をサボると多大な支障が出ます)。
  4. 地図の読み方ほか手元で入手できる資料の扱い方や情報の読みとり方・整理の仕方を学ぶ。
  5. よいレポートを書くこと。レポートは後世への記録として保存する。平成21年の夏にしか記録できなかった事実を残す(音声も記録する)。有益な情報を整理してわかりやすく、かつ臨場感を持って書く。
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調査対象は農村・山村・漁村である。 農村は農業を基盤とし、山村は林業を基盤とし、漁村は漁業を基盤とする。それぞれに聞く内容が変わってくる。マニュアルは適宜、農村バージョン、山村バージョン、漁村バージョンを使い分け、適用する。
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作業の前提・録音 iPodタッチ、iPhone(マイク端子をつける)、ボイストレック(シュウカツに使える)、レコーダー(MD)、録音テープ(テープ)。携帯の場合、データとして提出できるか。 *当日・親、友人から借りることは可能か。
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聞き取りの導入部・設問は記憶を呼び起こすためのドアと考えてください。
「きょうはこの地域のむかしの様子、暮らしをおうかがいにきました。これがこの 区域(むら)の5000分1地図です。地域と周辺の地名が書いてあります。ここに書かれた地名、小字やあだな(しこな、ほのぎ、通称)をみてください。最初に読み方、それからその位置を教えてください。おかしなところがあったらご指摘ください。」
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地名地図(事前に渡します、また事前に先方にも郵送しておく予定)
「この地図に書かれてはいないが、みなさんが使っていた地名(通称)はなかったでしょうか」(*これはかなり重要な質問になります)。
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以下はたずねる村の特色によって変える。

<以上は地図に記入していく、地名は原則として音・カタカナで表記、先方の人が漢字で教えてくれた場合は両方併記> そういった地名の場所に何か思い出はありますか。-------

聞き取りの展開

以上を質問する過程で、いろいろな話が出る。聞く方は関係ないとは思わずにできる限り話をひろいたい。貴重な情報が含まれている可能性がある。聞く姿勢が質問する姿勢よりはずーっとだいじ(QアンドAはダメ、方言による逐語記録であれば可)。 なかには訴えたいことがあって、一生懸命に語る人がいるだろう。たとえば戦争の話など。まわりにいる家族は同じ話をくりかえし聞かされて食傷している。それでつい話す機会がなくなっているが、本当は君たちのような若者には語り伝えたいのだ。兵隊には行かれたのですか。戦地はどちらですか。こちらからも積極的に聞きたいものだ。男性だけでなく、女性も戦争未亡人や靖国の母(戦死者の母)などまわりにはつらい戦争経験を持つ人がいた。積極的に記録を残したい。

最後には ありがとうございました。お生まれは昭和(大正?)何年ですか。
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│     .教師は教壇の上、大学の中にだけいるのではない。.     │
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事前の準備

  1. 村の概要の把握、指示された調査対象の村について
    1. 角川日本地名大辞典・佐賀県(図書館開架室)
    2. 佐賀県の地名(平凡社、図書館開架室、HPジャパンナリッジ)
    予備知識としてその概要を調べる。こうした印刷物の内容そのものをレポートする必要はないが、関連して言及する。
  2. 5000分の1地図
    地図類は授業時間中に配布する。現地調査用と清書用の2セットが必要になります。  必要な地図の範囲は割り当てられた村の範囲全部。 不足があるかどうかは自分で確認する。 隣の村(他の人に割り当てられた地区)の位置までコピーしてあるか。特に山は思っている以上に範囲が広いので注意する。その村が市町村境までが 範囲であれば、そこまでコピーする必要がある。地図がなければ先方がせっかく話してくれても、地図に落とせないということになってしまう。山も 大事だということ。また渡した地図をはさみで切ってしまう人がいるが、大きな地図から情報を引き出すことがたいせつ。調査が終わるまで、カット しないこと。  地図には海、川、水路、谷(以上青)、道路(茶色)、送電線・高圧線(黄色)、墓地(こげ茶色)を、それぞれ線で色分けしておく。学校があれ ばマークしておく。 (現地用、清書用とも、この色塗りは地図の理解を容易にするためのものです。色は簡単に線で示す。全部塗る必要はない。調査対象外地区まで塗る 必要もない)。 *地図の記号を解説した凡例が地図には付いています(ふつうは右の欄外)。 これに高圧線、墓地、石垣などの記号が解説されています。送電線・高圧線は鉄塔の印とそれを直線で結ぶ線がある。 *道路と水路の区別の仕方。  道路は普通二本の線が平行線として書かれている。川や水路は太ったり、やせたりしていて平行ではない。橋の記号に注目。橋の上を通るのが道、 下を通っているのが水路(天井川は別)。 *尾根(緑)と谷(青)の区別の仕方*山の場合 谷は川から続いている。川は一番低い。尾根は山頂から続いている。尾根は高い。尾根は心持ち丸く描かれ、谷は鋭角に描かれる。
  3. 25000分の1地図
    目的地にたどり着いたり、現在の様子を知る上で必要。コース図として渡します。 http://watchizu.gsi.go.jp/ にて閲覧可能
  4. 訪問先---どの地域を訪ねるかは授業中に一覧を張り出します。
    区長(嘱託員)か、ないしその紹介者に窓口、話者になってもらいます。役員から直接話を聞くか、または村に詳しいお年寄りを紹介してもらうこと になります。現段階090611で先方はこの企てを何も知らない。(訪ねる地域によってまちまちなので注意する。唐津市分は電話番号のみで、住所があ りません。玄海町分は住所のみで、電話番号がありません。NTTの電話番号案内で登録があれば有料で教えてくれる、104 一回百円、登録がなけ れば教えてもらえないし、無料、尋ねるときに住所も伝える。唐津市分に手紙を出すときは区の名前を書く。肩書きに嘱託員と書いておく、以下参照 )。市外局番伊万里市・唐津市・玄海町いずれも0955
    嘱託員名簿は個人情報ではありますが、行政とのパイプ役という役割があり、その性質上、市役所・町役場にたずねれば教えてもらうことができるも のです。「取り扱い注意」情報ながら、公開されているものです。
  5. 住宅地図
    図書館のカウンター(受付)ちかくに配架されているので、各自で訪問先の分と周辺をコピーする。住宅地図には住所の番号(地番)も記入してあり ます。それを手がかりに目的の家を見つける(訪ねる本人の名前が出ているとは限らない。親の名前、または子の名前が出ていることもある。番地も 併記されているから見当をつける)。
  6. 過去に一度先輩たちがその地域、または近くを調査したときの記録(服部のホームページ)ももっていく。こうした資料は相手方もほしがること がある。置いてこられるよう、余分にコピーしておいた方がよい。
  7. 事前の手紙
    超協力依頼の手紙を出します。相手先は区長(嘱託員)。
    定形外の九大封筒と九大の便せんを渡します。依頼文書と相手の都合を聞く返信用はがき(発信者である君たちの住所が宛先になっているもの)を入 れる。チームで一通。これに服部が服部からのお願いの手紙、そして地図を同封して発送します。
    6月27日組はできれば6月12日金曜日の12時から12時15分までに、それがむりなら6月15日月曜日の12時から12時15分までにバームク ーヘン5階520服部研究室に持参ください。7月11,12,20日組は次回授業時に提出してください。連絡がうまくとれないこともある。もしも連絡がう まくいかなかったとしても、過疎の村では人自体が少ないし、村の人たちもけっこう忙しい。当日に、その村で情報を多くもつ人を探し当てるという ことも重要。
    * 手紙を出す場合は君たちがいつ、何の目的で訪問するか、つまり何月何日の何時頃に訪問し何を聞くかを明記する。バスはたいてい10時半前後 につく。コース図を見て16時に近い人は11時過ぎに、17時に近い人は10時半過ぎくらいとする。お昼時は避けたいが、時間がない。弁当を持参してい き、さっそく話をお伺いする。先方の都合によっては最初に村をみておく。最後にバスをおりる人は12時近くなるかもしれない。
    * 念のため手紙が着いて数日後に、確認の電話を入れた方がよい。はじめから電話を入れる旨明記してあれば、返信用のはがきはいらないことには なるが、はがきを入れておいたほうがむかしのひとには無難。はがきには発信者である君たちの連絡先・電話番号を書いておくこと。
    *大型封筒はあとで地図をいれるため。これは服部がします。切手は服部研究室で貼ります。裏に差出人である君たちの名前と住所を書く。
    *相手先住所の番地がわからない場合、行政区を書いてください。(貼りだした表の地名)区長または駐在員または行政嘱託員□□様でもよい。相手 は地元の名士です。郵便配達のひとも、毎日同じ人に配達しています。正確に書いてあればまず配達されるでしょう。郵便番号は掲示します(郵便局 のぽすたるガイド)。
訪問を依頼する手紙のひな形 (以下は参考)
  1. 山の地方の場合
    拝啓
     突然お便りする失礼、お許しください。わたしたちは九州大学の 年生です。いま大学で歴史について学んでいます。このたび授業の一環として、 ■ 地域の昔と今について調べるため、現地を訪問し、以前の古いむらの姿について皆さん方からお話をおうかがいする計画を立てました。
     そこで、もしできましたら 月 日の 時前後に  さんのお宅を訪問させていただきたいと思っています。お聞きする内容は、水田に付けられて いる通称の地名や、あるいは屋号、谷や川の名前、用水井堰の名前、また昔の水利のありかたや慣行、炭焼きの様子、古道など、大正、昭和初期の村 の姿、山の生活などについて、です。どうかよろしくお願いします。もしご都合が悪いようでしたら、御近所の土地に詳しく、物知りのお年寄りのか たをご紹介いただければ幸いです。はがきを同封しましたので、ご都合の良し悪しをお教えください。
                       月 日
            住所               名前        
            電話番号
  2. 海辺の場合
    拝啓
     突然お便りする失礼、お許しください。わたしたちは九州大学の 年生です。いま大学で歴史について学んでいます。このたび授業の一環として、 地域の昔と今について調べるため、現地を訪問し、以前の古いむらの姿について皆さん方からお話をおうかがいする計画を立てました。  そこで、もしできましたら 月 日の 時前後に    さんのお宅を訪問させていただきたいと思っています。お聞きする内容は、海岸の瀬や鼻 や浜の名前、海に隠れている瀬の名前、また水田・井堰に付けられている通称の地名や、あるいは屋号など。また、定置網の場所の名前や運用の仕方 、和船時代の話、古道、また大正、昭和初期の村の姿や生活などについてなどです。どうかよろしくお願いします。もしご都合が悪いようでしたら、 御近所の土地に詳しく、物知りのお年寄りのかたをご紹介いただければ幸いです。はがきを同封しましたので、ご都合の良し悪しをお教えください。
                       月 日
            住所               名前        
            電話番号
  3. ふつうの農村の場合
    拝啓
     突然お便りする失礼、お許しください。わたしたちは九州大学の 年生です。いま大学で歴史について学んでいます。このたび授業の一環として、 ■ 地域の昔と今について調べるため、現地を訪問し、以前の古いむらの姿について皆さん方からお話をおうかがいする計画を立てました。
     そこで、もしできましたら 月 日の 時前後に  さんのお宅を訪問させていただきたいと思っています。お聞きする内容は、水田に付けられて いる通称の地名や、あるいは用水井堰の名前、また昔の水利のありかたや慣行、屋号、用水をとる谷や川の名前、牛や馬を使っていた時代のおはなし 、古道など、大正、昭和初期の村の姿、山の生活などについて、です。どうかよろしくお願いします。もしご都合が悪いようでしたら、御近所の土地 に詳しく、物知りのお年寄りのかたをご紹介いただければ幸いです。はがきを同封しましたので、ご都合の良し悪しをお教えください。
                       月 日
            住所               名前        
            電話番号

(「この手紙がついた頃こちらからお電話いたしますので、ご都合の良し悪しをお教えください。」)など文案は適宜工夫する。以上を参考に作り直 し手書きする。半農半漁、半農半林など複合的な村であれば適宜変更する。開封したまま服部に提出してください。次の服部の手紙を同封してから、 服部が切手を貼って投函します。

<君たちの手紙に同封する添え書き>
拝啓
 突然のお便り、申し訳ございません。私は九州大学の歴史学の教員をつとめるもので服部と申します。私どもはこの10年来、県内各地の村の昔の姿を記録にとどめる作業を、学生の皆さんと一緒に行ってまいりました。今回は貴地域を対象として調査をさせていただきたく思っております。
 そこでご多忙のところ恐縮ですが、7月 日に、学生 名がお訪ねしますので、適宜、地名(とくに小字名以外の通称、私称地名)や水利などの慣行、また大正〜昭和初期の村の姿、人々の生活などについて、お教え下さい。またもしご都合が悪ければ、そうしたことに詳しい方を学生たちにご紹介いただけますれば、幸いです。お忙しい時期に、一方的なお願いでまことに申し訳ありませんが、重ねてよろしくご協力のほど、お願いいたします。
 地図を同封しております。地元の方しかしらない、しかしその地域ではみなが知っている地名、をお教えください。
圃場整備の前にあった田や用水や井堰、真っ先に耕作放棄されたような不便だった田んぼ、いろいろな地名があったのではないでしょうか。海であれば地図には載っていないような海中の瀬や根、海岸の鼻や岩、山の場合なら、谷ごとにつけられ炭焼きの場所となった地名。そんな消えゆく地名を集めています。
 なおみなさまのお名前については、貴教育委員会より教えていただいたものです。教育委員会においても、この調査の実施については報告しご理解いただいております。どうかよろしくお願いいたします。
        平成21年6月 日
   〒819-0355
   福岡市西区元岡744
   九州大学大学院比較社会文化研究院教授 服部英雄
*都合が悪いから別の日に来てくれといわれる場合もある。バスは決めたコースを行くので互換は無理です。いちおう服部に相談してみてください(あまり希望は持たないこと)。その日がダメなら団体行動である旨説明し、別の人を紹介してもらう。あるいは独自の手段で行く。

当日用意するもの
地図、資料、ノート、録音機(アイフォーン、ボイストレック)、マニュアル、カメラ、雨具、弁当、お茶、財布、帽子、汗拭き、日焼け止め、虫さされの薬。携帯電話は山では圏外の可能性がある。過信しない。
*九大から調査に来るということで、場合によってはかなり期待されることがある(その逆に無視されることもあるが)。期待にこたえられるようにしてください。 キミタチの背中には九大の紋章がついている。当日の服装については、お願いした家を訪問するのだから、常識の範囲できちんとした格好をしていくこと。あまりに突飛なファッションはどうかと思う。その日は一日まじめな九大生でいてください。女子はいろいろなところを歩き回るからズボン・歩きやすい靴を。
*録音はレポートを書くときに楽です。録音済みのデータには調査対象の地区(村)名と話し手と調査者の名前、調査の年月日を書きこんで添付ファイルで提出して下さい。
*ときどきバイトや深夜テレビで徹夜をしたあと参加する人がいる。相手の方の話を聞きながらコックリコックリすることは、たいへんな失礼になる。万全の体調で臨むこと。

バス利用の場合の当日の行動

班のパートナーがこなければ電話で確認を取る。急な事態が発生してパートナーが来ないこともある。地図を一人だけが持っていて、当日あらわれないとなると、いつまでもバスが出発できなくなってしまう。地図は1班に2枚作るのだから、各自が持つようにしたい。

経路

(コース図は配布する予定) だいたい10時半すぎ頃現地に着く。目的地はかなり広いので最初の人がおりた後、最後の人がおりるまで1時間以上はかかる。後の方の人はおくれて目的の村に着くかもしれない。遅い人は12時近くなる。 どこでおりたらよいのか。地図を見ながら今車がどこを走っているのか、常に確認しておく。 目的の地域に到着したら手紙を出してあった人を訪ねる。 帰りは4時頃(予定)から来た道と逆のコースでバスが迎えにいく。来た道と同じコースを走る。バスの通過時刻は地図に記入して渡します。多少の誤差は出る。最後にバスに乗る人は5時すぎになるだろう。必ず降りた場所(その反対側の路線)で乗って下さい。特別の行動をとる人は事前に服部の了解が得ること。乗車予定位置にいなければ、事故の可能性も考えての対策を取らなければならない。しかし原則として周辺を確認した後に、見切り発車します。みんなが、バスを待って無駄な時間を過ごすわけにはいかないから。 ------------------------------------------------

◎現地調査ダイジェスト版とポイント

農村バージョンの場合------------------------・
必ず地図を付ける。住宅地図は参考資料。正式には5000分の1の国土基本図、ない場合はそれに準じた地図を付ける。 *お聞きした地名を書き込んだ上で提出する。

一日の行動記録と古老から教えていただいたことをレポート用紙(パソコン・ワープロ)10枚程度に(分量が多い方が良い)。話してくれた内容も多い方がよい。筋書きを追って整理した上での逐語記録(相手がしゃべったとおりの記録)でもよい。なるべく多く書いてください。質問事項に対する箇条書き風の、ビジネスライクな回答はよくない。とくにQアンドAはだめ。写真は自由に。提出はレポートおよびデータ
各班(原則二人)でレポート1セット2部。それぞれ以下のようにする

  1. 教員(服部)への提出分(これが正本)、地図<色の線塗り>も一緒に封筒に入れる。
    :正本の封筒には行った地区名、氏名、学籍番号を書く。なお下書きは地図とともに成績が通知されるまで保存しておくこと、服部が電話で質問する場合があります。
  2. お世話になったかたへの送付分(地図も含めコピーする)
    :封筒に、相手の郵便番号、住所、宛名を明記してください。お礼の手紙も同封して、開封のままで切手を貼らずに提出すること。
 服部が今後のお願いの手紙などを添付した上で発送します。封筒必要。九大の名前が印刷された大型封筒を使用してください。服部が授業時、または出発時かに渡します。1、2とも封筒に入れる。なお2の差出人は服部研究室の名前になります(個人的に出す人はお願いします)。発送は成績評価・全体のレポート整理の後になるので、かなり遅くなります。またお世話になった方が多くて、複数に出す必要がある時は、その分も用意してください。
 レポートはパソコンデータでも提出する。みんなのレポートをパソコンでも保存する。できるだけワード。地図も添付する。できたらイラストレーターかフォトショップ。むずかしければデジカメで撮影した地図をEメール添付もしくはデータ便でhattアットマークscs.kyushu-u.ac.jpに送ってください。レポート、添付書類のタイトルは「歩き、み、きく歴史」とか「服部レポート」ではなく、調査に行った場所(行った地域の名前、市町村名ではない)の名前を付けてください。くりかえしますが、レポートはかならずプリントアウトしたものを提出し、あわせてデータをメール送信すること。プリントアウトしてないと、成績評価から漏れるおそれがあります。今後レポートは内容を適宜判断しつつ、できるだけ 服部のホームページ で公開していきたいと思います。
 調査者であり、著作権者である君たちの名前は公表します。レポートの内容についてたずねる場合があるので、電話番号は手書きにて記入をお願いします。また相手の話の中で、公開には支障のある内容、つまりプライバシーや差別に関する話題などが出ることもあります。省略はしないでください。ただし公開の際に服部が判断し、公開に不適と判断した場合はその部分を割愛することはありますが、みなのレポートにはありのままに書いておいてください。心配ならそこだけ手書きにすること。
 このホームページには先輩たちのレポートも掲載してあります。また以前の旧マニュアルも掲載してあります(*従前のものの方が詳しい)。「服部英雄のホームページ」

地図
 *正確に地図に聞き取った地名を落とせたか。せっかく教えてもらっても間違った位置に記入していては、何の意味もない。地図には聞き取った通称地名を文字で記入する。「録音テープにあるとおり」というような形でレポートの記載を省略しない。印刷されたレポートが基本。

レポートのポイント
 *事前の準備(地図など各自点検してください)。 村の範囲はきちんと包括したか(山は特に広い)。 住宅地図を用意したか。その他参考資料を用意したか。 地図をきちんと準備できたか。事前に把握したか。色線塗りをきちんとしているか(水路、道路、高圧線。墓地)。聞き取るべき範囲を十分カバーする地図を用意していたか。配布した各資料を調査者が事前に、きちんと読んでいたか。マニュアルをしっかり読んでいるか。
 *目的が十分、果たせたか。割り当てられた村をきちんと調査したのか。しこ名(あざな・通称)というものを相手に理解してもらい、収集することができたか(調査する側が、調査の趣旨を理解していなければ、目的をはたすことはできない)。
*地名以外の調査項目をきちんと調べたか。

注意
レポートには事実の列挙だけではなく、それに対する話者の評価を。
(たとえば青年の行動について「いいことばっかりじゃないんよ」、といったら、そうした事も含めてレポートする。 またレポートは臨場感あふれるように。話者の発言もなるべくそのままに方言も入れて書く。その場の雰囲気が分かるように。どっと笑ったとか、このとき複雑な表情をしたとか、急に声を潜めたとか。みんなは一流のマスコミ人になったつもりで。質が高く、読みやすい「ルポルタージュ」を書く。レポートは事実に忠実に、そしておもしろく。みんなが味わったおもしろさを伝えてください。)

レポートの締め切り
 調査後10日をめど(目安)とします(忘れないため)。授業時間に提出してください。追試などがあって、どうしても間に合わない場合はメール連絡の上、最終しめ切り8月17日必着で、郵便送付してください。なおレポート本文と地図、ほかがバラバラになりやすいので、正本は封筒(袋)に入れて出して下さい。成績評価が出るまで、地図及びレポートの原稿(下書き)は必ず保存して置いて下さい。
 服部のメールアドレスはhattアットマークscs.kyushu-u.ac.jpです。レポートは必ず印刷物で提出する。服部の研究室は比文言文棟520。
 *インフルエンザ発生時の連絡は別途行います。

地名記入のひながた(.xls)
地名記入の具体例(.xls)


※エクセル入力上の注意※
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