信濃路は今の墾道 刈株(かりばね)に足踏ましなむ履(くつ)はけわが背 (万葉集) 履は皮革・木・布・ワラなどで作ったはきもの。 東国から平城京に向かう防人たちは、くつを履かずに新道(はりみち)を歩んだのか。 草鞋も履いておらず、裸足で峠道を歩いていたらしい。 木曽山脈北端の山。 権兵衛峠からの登山道は廃道だった。 それを令和元年に復活。なのでできて四年目の新道のようで、笹藪の刈り払いをしたばかりという印象を受けます。 ささゆりの群落があって、いまや人気の山。花の時期にはまだ早く、いくつかつぼみ。で、この日は三組。 きっと盛期には駐車場はいっぱいで、林道に車が溢れるでしょう。 権兵衛峠は木曽谷と伊那谷を結ぶ、米の道。 旧峠の、もう一つ北側が登山口。登っていくとモノレール、そして電波塔。説明が全くないけど、松本空港関係のレーダーかと想像。福岡だと三郡山にありますが。何も説明がないのがぶきみ。そこから北沢山へ。そこまでいくと距離では山頂までの半分なのだが、まだ電波塔がすぐそこに見える。 永田山という山からあやめ山はきぶんのよいところ。貴重なささゆり、テープのついたポールがさしてある。ささゆりは道のよこに多い。道は日当たりがよい。笹藪の中ではささに負けるらしい。 で草刈りが不可欠だが、まちがって刈ったらおしまい。でポール。 霧ヶ峰でも伊吹山でも鹿の害。キスゲもヤナギランも食べ尽くされる。そこで鹿害対策にたぶん犬の小便の染み込んだ土をぶら下げる。 うまくいったらいいな。金網・ネットは失敗例が多いのでは。 たくさん花を見ました。希少種を含め、同行してくれた植物博士のガイドさんから種々ご教授。 後日正確な情報をあげます。 山頂には「経岳天御中主神」と碑があった。講があったよう。般若心経読誦。 展望地点数カ所。待望の御嶽は、モヤの中にうっすら。乗鞍は、位が原らしき雪のみ。槍穂は見えず。 7時に登山口、お昼に山頂、下山は3時。 天気予報では松本29度で猛暑、ところがシベリア高気圧の張り出しで、冬みたいになった。半袖シャツ一枚、汗だけはダラダラ。 低体温になったよう。ばてた。夢中でカステラ、重ね着。なんとか登れた。 体重を測ったら脱水で2キロも落ちていた。毎度のことですが。 ササユリを見にいきたい。 永田山